「世界最新! よみがえる恐竜大陸」展が3月20日より、千葉県の幕張メッセで開催されている。三畳紀から白亜紀後期までの全身骨格40体余り、総化石標本200点余りを展示。また、精巧な動きをする恐竜ロボットたちが、当時の生き生きとした恐竜の姿を見せてくれる「ジュラシックワールド」など、恐竜ファンから家族づれまで幅広く楽しめる展示内容となっている。また、「音筆」という紙にタッチすると、音声ガイドが流れるので、事前知識があまりなくても楽しめそうだ。
約2.5mの巨大な大腿骨に驚く
会場でまず目を引くのが、化石標本の展示エリア。そのイントロダクションにあたる「恐竜大陸へようこそ」では、アジア大陸が世界に名だたる恐竜化石の宝庫であることが解説された上で、新種のフアンヘティタンの大腿骨、仙骨、肋骨が展示されていた。特に約2.5mの巨大な大腿骨は、見ただけで恐竜の大きさを実感させられる。
続いて「恐竜時代の幕開け」では、三畳紀後期~ジュラ紀前期にアジア地域で生息していた恐竜を紹介。解説によると三畳紀後期には、原始的な竜脚類であるイサノサウルスと古竜脚類が棲み始め、ジュラ紀前期には、雲南省一帯に古竜脚類が繁栄したという。古竜脚類のルーフェンゴサウルスやジンシャノサウルスといった全身骨格も圧巻だが、日本初公開となるルーフェンゴサウルスの頭骨も是非見ていただきたい展示物のひとつ。巨大な全身骨格はたしかに迫力があるが、ケースに入った標本もそれに劣らぬ"本物の存在感"を示している。
珍しい恐竜の腸も展示
「繁栄する恐竜たち」では、ジュラ紀後期に恐竜たちが大型化、そして多様化の道を歩んだことを取り上げている。とりわけ、他の大陸と分離したアジア大陸に棲む恐竜たちは、他の大陸には見られない独自の進化を遂げたという。ここではマメンチサウルス、ヤンチュアノサウルスの全身骨格ほか、珍しいところでは竜脚類の腸と考えられている2mの化石(複製)が展示される。
そして、会場の中心に展示されている「進化する恐竜たち」(白亜紀前期)と「恐竜時代の終焉」(白亜紀後期)は初公開の化石も多く、化石標本の展示エリアのなかで一番の見どころと言えるだろう。白亜紀前期は、現存する植物の大半を占める被子植物が出現しはじめた時期。これにより、森が変わって恐竜の進化に大きな影響があったと考えられている。それが白亜紀後期になると、被子植物の生息地域が拡大。草食恐竜のカラダは大きくなり、様々な体型のものが現れたとされている。こうして終焉のときを迎えるまで、恐竜は繁栄を謳歌したとされる。
発掘体験に迫力のアロサウルス・ショー
化石標本の展示の最後にあるのが、イベント広場(多目的イベントスペース)。ここでは恐竜化石の発掘現場を再現した会場内スペースで行われる化石発掘の体験や、恐竜大陸のメーンイラストを描いた山本匠先生によるイラスト教室、リアル恐竜のアロサウルス・ショーなどが開催される。なかでもアロサウルス・ショーは非常に迫力があり、その大暴れする姿は会場全体をいっそう盛り上げるだろう。ショーは土日祝日に予定され、3月23日、3月29日、4月6日、4月13日、4月20日のいずれも10:30、13:00、15:00スタートとなっている。
イベント広場の向こう側には「ジュラシックワールド」が広がっている。ここに展示されているのは化石ではなく、まさに"恐竜"そのもの。精巧な動きをする恐竜ロボットたちが、当時の生き生きとした恐竜の姿を見せてくれる。発掘、研究といったアカデミックな内容だけでなく、恐竜とその時代に対する興味を広げる意味でも、こうした展示は重要な役割を担っているようだ。
展示物を鑑賞した後は、お土産物売り場やレストランなどに立ち寄るのも楽しみのひとつ。「ディノレストラン」では恐竜バーガーなど恐竜をテーマにしたメニューが揃い、「ディノショップ」では「恐竜大陸」公式図録やオリジナルマスコットキャラクターなどの限定グッズが販売される。最初から最後まで恐竜で埋め尽くされた「世界最新! よみがえる恐竜大陸」展。恐竜ファンはもちろんのこと、家族づれなど幅広い層に受け入れられる展示構成となっている。この機会に足を運んでみてはいかがだろうか。
会期 | 2008年3月20日(祝)~5月18日(日) |
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会場 | 幕張メッセ国際展示場 10・11ホール(千葉市美浜区中瀬2-1) |
開館時間 | 9:00~17:00(入場は16:30まで) |
入場料(当日) | 一般=2,500円 中・高生=1,500円 小学生=1,000円 |