韓国LG電子は、同社のプリント基板(PCB)事業と、LGの系列会社であるLG Micronのプラズマディスプレイパネル後面板(PRP)事業を交換する契約を締結したと発表した。

発表によると、この事業交換は5月1日付で行う。交換対象となるのは負債を含む事業資産と人員のみで、売上債権や買入債務、一部の土地や建物などは含まない。LG電子側のPCB事業のうち、交換対象となるのは現物出資を含む2,992億ウォン(約337億9,200万円/1円=0.1129ウォン)。一方のLG MicronのPRP事業は1,668億ウォン(約188億3,860万円)である。

この金額を見ると、その差は1,324億ウォン(約149億5,342万円)にも達している。そのためLG Micronは資金調達などの面で苦しくなることが予想されるため、LG電子がPCB事業の一部資産をLG Micronに現物出資して差額分はLG Micronの新株を譲り受ける予定という。

この場合、LG電子が行う現物出資の金額は1,335億ウォン(約150億7,766万円)。内容は清州PCB工場の建物と構築物、機械装置、そして烏山PCB工場の土地などである。また、LG Micronの新株は、1株あたり4万750ウォン(約4,602円)となっている。これにより、LG Micronに対するLG電子の持分率は36%から55%となる。

ところで、事業交換に至った理由は何なのだろうか。LG Micronは、LG電子のプラズマパネルディスプレイパネル(PDP)向けにPRPを供給している。LG電子はPDP事業の競争力強化や原価節減を図るため、PRPを含む一貫した生産が必要だと判断したという。一方の電子部品メーカであるLG Micronは、LG電子のPCB事業を獲得することで、さらなる事業拡大を狙う。

現在、LG MicronのPRP事業は赤字状態である。韓国の証券会社であるユジン証券では、同社がこのままPRP事業を続けても赤字額は膨らむと予想している。またユジン証券によると、LG MicronのPRP事業はLG電子に100%依存している状態という。そのため、LG電子にPRP事業を譲渡することで赤字部門を整理したいという事情もある。