電通は20日、2007年の国内の広告費と、媒体別・業種別広告費についてまとめた「2007年 日本の広告費」を発表した。同発表によれば、2007年の国内広告費は、景気回復やデジタル家電普及などの影響で、前年比1.1%増の7兆191億円となり、2004年以来4年連続の増加となった。また、媒体別に見ると、インターネット広告費が前年比24.4%増の6,003億円となり、前年比4%減で4,585億円となった雑誌広告を大幅に上回り、テレビ、新聞に次ぐ規模となった。

電通はネット広告費について、前回の集計までは広告掲載料である「媒体費」のみ算出し、「広告制作費」は含めていなかったが、今回の集計では2005年にまでさかのぼって同制作費を加えたことで、2006年のネット広告費は4,826億円と改定された。その結果、2006年のネット広告費は同年4,777億円だった雑誌広告費を、実はすでに超えていたことが分かった。

電通によると、2007年のネット広告は、動画視聴が一般的となってバナー広告も大型化し、より表現力が豊かになったことで、その出稿目的も従来の効率重視だけではなく企業のブランディングにも活用されるようになった。その結果、検索連動型広告が前年比37.8%増の1,282億円と大幅に増加した。また、携帯電話の契約数が2007年末で約1億52万台となるなどの追い風も受け、モバイル広告費も前年比59.2%増の621億円となった。

その他の媒体に関しては、テレビ広告費が前年比0.9%減の1兆9,981億円、新聞広告費が前年比5.2%減の9,462億円となり、雑誌と同様、前年割れとなった。ラジオ広告費も、前年比4.2%減の1,671億円だった。

2008年の広告費について電通は、北京オリンピックなどがプラス要因となり、情報・通信や家電・AV機器、交通・レジャーなどの業種からの出稿が増加することで、前年比1.7%増の7兆1,354億円となると予測している。