米国の国際知的財産権アライアンス(IIPA: International Intellectual Property Alliance)は、世界各国における米国製デジタルコンテンツの海賊行為についての実態調査報告書「IIPA 2008 Special 301 Recommendations」を発表した。この報告書によると、昨年(2007年)、海賊行為により米国企業にもっとも損害を与えた国は中国で、ワースト2位はロシアだった。

米国には、知的所有権を侵害した国の特定や制裁について定めたスペシャル301条(Special 301)という法律がある。IIPAでは毎年、海賊行為についての実態調査を行い、同法に基づいて警戒すべき国のリストを挙げている。

今回発表になった報告書によれば、パソコンのビジネスソフトウェアやエンタテインメント(映画・音楽)のCD、DVDなどの違法コピー(海賊行為)で、2007年中に米企業の被った損害額の国別トップは、約29億7,520万ドルを記録した中国だった。前年よりも海賊行為の規模は拡大している。

一方、ワースト2位のロシアは、約14億3,000万ドルの損害額を出したが、前年より状況の改善が見られたとされる。そのほかメキシコやカナダ、インド、タイなどが、特別な警告対象国リスト「Priority Watch List」に指定された。

警告度は低いものの、日本も要注意国リスト「Special Mention」に入っており、特にインターネットオークションや、オンラインファイル交換による違法コピーの横行が早急に改善を要する分野に指摘されている。