富士通は12日、3月21日を効力発生日として同社のLSI事業を会社分割により分社、「富士通マイクロエレクトロニクス」を設立することを決定した。資本金は600億円。代表取締役社長には、富士通の代表取締役副社長である小野敏彦氏が就任する。

新会社設立にあたり小野氏は、「ようやくテイクオフの時が来た」とし、半導体業界の市況に応じた経営ができる体制が整ったことを強調した。一方、株式公開や提携については「白紙の段階」(同)とし、今後の展開に含みを持たせた。

富士通マイクロエレクトロニクス 代表取締役社長に就任する小野敏彦氏。同氏は、分社化の時期について「個人的には遅かったと思っている」との見方を示した

分社化にあたって、「富士通エレクトロニクス」などのLSI事業に関連する富士通の子会社および関連会社は新会社の子会社、関連会社へと移管されるものの、電子部品事業を担う「新光電気工業」「富士通コンポーネント」「富士通メディアデバイス」の3社は富士通の子会社のままとなる。新会社の従業員数は約6,800名で、子会社、関連会社を含めた連結ベースでは1万3,500名。従業員は基本的に富士通からの出向扱いとなる。

新会社の事業規模は2007年度(2007年4月 - 2008年3月)で5,100億円程度を見込んでいる。今後はASSP(Application Specific Standard Product)とASICを2本の柱として事業を展開、10年度には連結ベースで6,000億円の売り上げを目指す。また、営業利益率については2009年度で5%とし、2010年度をめどに7%に引き上げる計画だ。