角川書店は、第28回横溝正史ミステリ大賞を発表した。大賞は該当者なし。テレビ東京賞には静岡県富士市の望月武(市川啓改め)氏の『テネシー・ワルツ』が選ばれた。望月氏には賞金100万円が贈られるほか、作品はテレビドラマ化される。

角川書店では、50余年に渡り探偵小説を精力的に執筆し続けた横溝正史氏にちなみんで1980年、未来のミステリ作家を広く募集するため同賞を設けたとしている。

今回は、総数217作の応募の中から4作が最終候補作として決定されていた。なお、最終候補作は「アダムとイヴの禁忌」(中村啓)、「悪魔の瞳」(it)、「上海クリック」(石川角白)、「テネシー・ワルツ」(市川啓)。該当者なしという結果について、角川書店の広報担当は「本年度の最終候補作は、ぬきんでているものがなく、横溝正史賞の冠にふさわしい作品がなかったということが大きな理由です。各選考委員の選評は3月発売の野性時代に掲載予定なので、詳細はこちらをご覧下さい」とのこと。また、『テネシー・ワルツ』については「テレビ東京賞は、テレビ東京が独自に選出する賞です。一次選考通過作品20編の中から、候補を選出し、最終選考会の日にテレビ東京から発表されます。よって、選考会の評価に関わらず、映像化にふさわしい作品が選ばれます」とコメントしている。