イタリアのSalento大学のグループはsource followerで構成される積分器と負性抵抗で実現される積分器を組み合わせることで、6次280MHzのフィルタを発表した(講演番号3.4:A 6th-order 100uA 280MHz Source-Follower-Based Single-loop Continous-Time Filter)。

RCのはしご型のフィルターを構成する方法の一つに、SFB(Source-Follower-Based) filterがある。この構成の抵抗の一部を負性抵抗を用いて特性を改善する手法(SFB single-loop filter)を提案している。不正抵抗はsource followerをクロスカップル接続することで実現している。

提案のフィルタの直流利得は、フィルタの次数が偶数と奇数のときで異なるが、もし、負荷抵抗が大きい場合は1となる。また、非常に高い入力インピーダンスを実現できる。提案のフィルタはSFB filterに比べ、低消費電力、低電圧を実現できる。0.13μm CMOS processを用いているため、ばらつきなどを考慮するとキャリブレーションが必要であるので、キャリブレーション回路も実装した。UWBレシーバのための6次ベッセルLPFを試作し評価した。評価結果は以下の通りである。

power supply 1.2V
in-band IIP3 11dBm tones@2MHz、3MHz
out of band IIP3 7dBm tones@400MHz、790MHz
IM3 38MHz two tone 2MHz & 3MHz
1dB compression poit 1dBcp -1.2dBm
Current consumption 0.1mA