「日本一短い手紙」の町として知られる福井県坂井市丸岡町にて、第5回新一筆啓上賞の入賞作品が発表された。今回のテーマは「日本一短い未来への手紙」。日本全国および海外から3万7,000通余りが寄せられた。これは昨年の2倍以上で過去最多だとしている。

丸岡町は同町ゆかりの徳川家康の忠臣・本多作左衛門重次が陣中から妻に宛てて送った手紙「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」にちなんで93年に「一筆啓上賞」を始め、2003年から「新一筆啓上賞」と改めて「日本一短い手紙」の公募を毎年行っている。

「日本一短い未来への手紙」大賞

作品 作者 年齢・職業
5年先の未来の自分へ「起きろー。いつまで寝てるんだ。」 宮国泰佑 15歳・高校1年
50年先の未来の名医へ「今すぐ、タイムマシーンで、妻を助けに来て下さい。」 松永佳二 54歳・会社員
10年先の未来の自分へ「今どこ?まじっ!今そっちむかうわ」 赤須清志 17歳・高校2年
10年先の未来のぼくへ「『大人になったら分かるわ。』何か分かったか?」 小田村修平 12歳・小学6年
72年先の未来の自分へ「しぶといな。」 鹿江圭介 18歳・高校3年

大賞に選ばれたのは5篇。その1人に選ばれた松永佳二さんは「今すぐ、タイムマシーンで、妻を助けに来て下さい。」と、ガンに苦しむ妻への思いを現代より医学が向上しているであろう50年後の名医に託した。また、入賞作品の中には「絶対ハゲんって言ってたやん。」という50年後の自分に向けて書き送る自虐的な作品も。同町によると、全体的には家族への思いやりや将来への夢が詰まった作品が多く寄せられたということだ。