タンスの大川からネットの大川栄策へ


――演歌界は今後、ネットによって変わっていくと思いますか?

歌そのものが新しくなるわけじゃないですよ。演歌が日本人の心情、さまざまな感性を形にしていくということは変わらない。ただ、システムは新しくなるでしょう。さっきも言ったように、特に地方の人は従来の形式では手に入れる場所が少なくなっているから、それを埋める存在としてネットが対応していくということ。まだまだ、すべてが変わるというわけではないと思いますけど。

――ネット配信の新曲はすでにコンサートでは披露されたのでしょうか?

ファンクラブの皆さんには、すでに聞いてもらってます。パッケージと違って、「コレですよ」って実物を見せるわけにはいかないじゃない? だから自分で弾き語りして「こんな感じなんだけど、気に入ったらダウンロードしてよ」って。買ってね、じゃなくて。もちろん買うんだけどさ、やっぱりダウンロードして、だよね(笑)。

――ですね。大川さんって話が若いというか、考え方がお若いですよね

僕はデビューが「目ン無い千鳥」という元は霧島昇さんの曲で、それでプロになってから20代のほとんどはリバイバルを歌っていた。その反動があるわけじゃないけど、自分のなかではなるべく新しいものを、表現者として提供していきたいという思いが強いんだよね。

ただ、あんまり先に行き過ぎても駄目だし、新しいものにすぐに飛びつくことではなくて、その辺の間の取り方には気を配って、地に足が着いたところで。同じ時代の同じ空気を吸って生きていくなかでの一歩先、半歩先に、という気持ちでいる。同じ歩幅で歩いていても注目はされないから、皆さんに少しでも興味を持っていただけるように、新しいことにチャレンジしていきたいとは常に考えていますよ。

――まさに今回の件で"ネットの大川栄策"という新しいイメージができました。タンスの大川からネットの大川へ、ですね

ネットの大川か。いいねぇ、そういう風に思っていただけたら。これを機会にさらに多くの人に、若い人にも興味を持ってもらえたら嬉しいね。タンスからネットへか。いいコピーだね(笑)。

――どうも、恐縮です(笑)。今回は年末のお忙しいなか、ありがとうございました。

こちらこそ。毎週水曜日の12時に曲の配信はまだまだ続きますので、ファンの方はこれからもぜひ楽しみにしていてください。

大川栄策の新曲をPC・携帯電話でダウンロード!

大川栄策のネット配信詳細については、コロムビアミュージックエンタテインメントのWebサイトを参照のこと。2007年11月21日から2008年2月6日までの毎週水曜日、12週連続でリリースされ、本日(2007年12月26日)は第6弾「花街雨情」(ディレクター:梅津雅弘/作詩:池田充男/作曲:四方章人/編曲:石倉重信)の配信開始日となっている。