Trolltechは19日(ノルウェー時間)、GUIツールキット「Qt 4.4」の最新テクノロジプレビューを公開した。WindowsとMac OS X、Linuxのプラットフォーム別に用意されたソースコードは、特別なプレリリース用ライセンスのもと同社Webサイトで無償公開される。

Qt 4.4では、SafariなどのWebブラウザに使用されているオープンソースのHTMLレンダリングエンジン「WebKit」を統合、「QtWebKit」として実装した。Qtデベロッパは、QtWebKitを利用することにより、HTML 4.01やCSS 2.1など、Safari 3と高い互換性を持つアプリケーションを開発できる。

XMLサポートも強化、XQuery 1.0に対応するクエリ機能が追加された。このXQueryエンジンには、直接リレーショナルデータベースにアクセスする機能は実装されていないが、インスタンスXML文書を扱うことができる。ほかにも、マルチスレッドアプリケーション開発に有用なC++ライブラリ「Qt Concurrent」の追加や、KDE 4.0で新たに提供されるマルチメディアAPI「Phonon」にあわせた機能強化が行われている。

Qt 4.4は、2008年の早い時期からβテストを開始し、2008年第1四半期後半に正式リリースされる見込み。Qt 4.4の最新情報は、Qtデベロッパ向けWebサイト「Trolltech Labs」に随時掲載される予定。