大型化進むパネル市場

ディスプレイ専門リサーチ会社のDisplaybankは、2008年の世界のLCDパネル市場について展望した。同社の調査によると、2008年のLCDパネル市場は4億4,770万台で、3億7,950万台の2007年よりも18%程度増加する展望だという。うち、LCDテレビ用パネルが26%、モニタ用パネルが12%、ノートPC用パネルが14%ずつ、2007年よりも増加すると予測している。

最も成長率の高いLCDテレビ用パネルは、主力サイズが現在の32インチから、40/42インチ、46インチと急速に大型化していく展望だ。また52インチLCDパネルも市場に登場することで、50インチクラスのPDPテレビとの熾烈な争いが予想されている。

大型化の波はその他の製品にも及ぶ。モニタ用パネルは19/22インチワイド製品が広がりを見せるほか、ノートPC用パネルでは14.1インチと15.1インチのワイドパネルがほぼ標準化することで、ノートPC用パネルの95%以上がワイド製品になるという。

2008年は需要増、価格下落

一方、2008年に稼動予定の新ラインは、Samsung電子の8-2ライン(8世代)、CMO(台湾)の6世代ラインなどだ。さらにこの後の2009年には、LG Philips LCDとAUOの8世代ライン、シャープの10世代ラインが稼動する見込みとなっている。

これに伴い、2007年第1四半期には46.3%を占める6世代以上のライン生産の比率が、2009年第4四半期には65.4%までに上がると見込まれている。

市場の需要も増す。2007年第2および第3四半期に需要拡大で供給がタイトになったLCDパネルだが、第4四半期になり供給が安定化。2008年の第1四半期には市場自体が閑散期に入ることで、供給過多になりがちだが、第2四半期からは供給キャパシティの限界やパネルの需要増加により、再度供給がタイトになると予想している。ただし第1四半期の供給過多については、調整可能なレベルにとどまると予測されている。

ただしLCDテレビ用パネルの価格は、2007年に比べ平均4 - 11%下落するとDisplaybankは予測する。2007年に上昇を続けていた32インチの場合、2008年12月には、2007年同月より約4%下落した320ドル(約3万5,800円)となり、下落幅は低めとなっている。同時期で他製品を比較した結果によると、37インチでは約7%、40/42インチでは約11%になるということだ。

とはいえ2008年第2四半期からは、供給がタイトになり価格が反動することにより、メーカーの営業利益が2007年よりも上昇すると、Displaybankでは述べている。

2007年第1四半期意向の、LCDディスプレイの需要と供給の関係