Marat A Denenberg氏は11月29日(米国時間)、Dynamic CSS (CSS.js)の最新版であるDynamic CSS 1.0を公開した。Dynamic CSSはJavaScriptで開発されたプログラム可能なCSSユーティリティ。mootools 1.2を使って開発されたユーティリティで、実行するにはElementとClassを含めたmootools 1.2が必要。JavaScript中にプログラマブルなCSSを表記できるというものだ。長さなどのサイズ指定に固定値ではなく計算値や変数、関数を使った計算式を記述できる。

Webブラウザ互換性確保やWebブラウザに特化したプロパティの指定などをおこなう場合、PHPやServletなどのサーバサイド技術を使って対象のWebブラウザに適したCSSファイルを生成するといった処理をすることが多い。Dynamic CSSはその処理をJavaScriptを使ってクライアント側で処理するところに特徴がある。

Dynamic CSSはCSSの将来をになうとか次期スタンダードになるとかそういった類のものではなく、mootoolsの実装とフォーラムに投稿されたアイディアを基に実装された試験的なもの。実装もJavaScriptでそのまま実装するためにCSS風の表記を実現しつつも、JavaScriptの表記にしたがったものになっている。

CSSはWebコンテンツにおいてスタイルを指定する方法として広く普及している。すべての指定を可能な限り盛り込む方をよしとする考え方、デフォルト値からの差分だけを記述方法をよしとする考え方、コンポーネント化して組み合わせや差分表記だけをよしとする方法、必要最低限の記述だけをよしとする考え方などいくつかの方法論がある。Dynamic CSSはそうした取り組みのひとつとして面白いものだ。CSSの表記をプログラマブルに実施したいと考えているWebデベロッパやWebデザイナは一度Dynamic CSSを調べてみるといいだろう。

Dynamic CSSの利用例その1 - Dynamic CSSのサイトから抜粋

Dynamic CSSの利用例その2 - Dynamic CSSのサイトから抜粋