既報のとおり、JRubyの開発者であるCharles Nutter氏が5日(米国時間)、自身のブログにおいて、Rubyの開発における日本語と英語の障壁に関する私見を掲載。不完全にしかならないことはわかっているが、メーリングリストの自動翻訳システムの確立が、双方のスピーカにとって価値があるのではないかと述べた。

同ブログにはいくつもの意見が寄せられたようだが、さっそくJason Toy氏がRuby関連のメーリングリストを相互に自動翻訳するサイト「translator.rubynow.com」を公開した。現在のところruby-list、ruby-talk、jquery-en、ruby-dev、merb-devel、rubyonrails-talk、rubyonrails-core、ruby-core、nginx-ruが登録されており、日本語、英語、繁体字中国語、ロシア語の変換が提供されている。translator.rubynow.comには今のところ新たなメールを自動的に登録する機能はないが、今後の改善次第でそのような機能が追加される可能性もある。

translator.rubynow.com - すでに9つのメーリングリストが登録され自動翻訳が実現されている

日本語のMLが英語のMLに翻訳された例

本取り組みはRubyのデベロッパ達のみならず、ほかの多くのデベロッパにとって注目に値するものだ。国際的に取り組まれるオープンソースソフトウェア開発においては共通言語として英語を使うことが一般的だ。しかし言語の差異が与える影響は大きく、ある種の障壁になっていることは間違いない。

自動翻訳では英語と日本語の翻訳はそれほどうまく機能しないことは知られているが、こうした取り組みを自動化し、相互の開発者がほかの情報に簡単にアクセスできるようにすることは最初の一歩としてきわめて価値のあることだ。こうしたサービスがWebアプリケーションとして提供され開発されるようになれば、ほかのオープンソースソフトウェアプロジェクトにとっても有益に機能する可能性がある。