米BEA Systemsは11月5日(現地時間)、同社の最大株主である投資家のCarl Icahn氏に対してBEAの機密情報を非公開契約に基づいて提供したと発表した。BEAは現在、米Oracleからの1株あたり17ドルでの買収提案を巡り紛糾しているが、「この提案が本来のBEAの価値を下回るものである」という同社の主張を株主側にアピールする狙いがある。

Icahn氏はBEA株の保有比率を高めることで発言力を高め、同社のボードメンバーに対して株式価値の最大化を図るための「他社への売却」を打診するなど、経営上のプレッシャーをかけ続けている。OracleはBEAに対して1株あたり17ドルでの買収を提案したものの、BEA経営陣は1株あたり21ドルの企業価値を主張したため、Oracle側が買収提案を引き上げた。結果として、18ドル前後の水準で推移していたBEA株価は16ドル台後半まで急落し、Oracleの提案価格を下回ることとなった。今回、BEAがIcahn氏に機密情報を公開したのは、こうした経営陣の一連の判断がミスでなかったことを示し、あくまで提案価格の引き上げに努める意向であることを伝える目的があると思われる。