Googleは29日(米国時間)、Gmailで取り組んでいるスパム対策が大きな成果を納めていること、さらにGmailが受信しているメールに占めるスパムメールの割合が減りはじめていることを報告した。スパムの減少がGmailの取り組みの成果なのかインターネット全体の傾向なのかは定かではないが、Gmailを使っているユーザにとって興味深い報告には違いない。

Gmailで実施しているスパム対策は大きく分けて4つある。(1)Gmailを使っているユーザが迷惑メールと判定する情報の活用、(2)ネットで公開されるスパムデータの適用、(3)Googleのほかのサービスで活用されている技術の転用、(4)SPFやDomainKeys/DKIMといった認証フレームワークの活用だ。特にユーザがスパムメールを報告する情報は、数の利もあり、大きな威力を発揮している。

Googleインフラストラクチャを活用した迅速なスパム情報の収集や、ほかのGoogleサービスで使っている技術の転用も興味深い。たとえば従来のスパム対策では画像メールに対応しにくかったが、GoogleではGoogle Book Searchで活用されているOCR技術を流用して画像データをスパムデータかどうか判定している。

Gmailで受信している全メールにおけるスパムメールの割合と、ユーザーからのスパムメール報告件数の割合

これらの対策を続けてきた結果、右のグラフのとおり、ユーザがスパムメールだと報告する割合が減っており、従来と比較してスパム遮断の精度が向上してきているようだ。

Googleは12日(米国時間)、Gmailの容量をユーザあたり3GBほどまで拡張。続いて24日(米国時間)にはIMAPへの対応を表明。同時点でGmailの容量は4.3GBまで増加していた。執筆現在の31日には4.4GBまで増えている。さらに同社は将来の拡張へ向けて内部構造の整備を進めているとしており、Gmail 2.0と呼ばれる次期Gmailの近日中の発表をほのめかしている。すでに一部のユーザは新しいGmailのUIにふれているようだ。

スパム対策機能の充実、増加を続けるメール保存容量、分析とチューニングが施され動作速度も改善されたUI、さらにはインフラストラクチャの改善に、間もなくの発表が噂されるGmail 2.0。Gmailの動向にしばらくは注視しておきたい。