Webページデザインを支えているCSSだが、この技術はいつでも問題の中心にもなる。Webブラウザ間で同じ表示が実現されない、デザインを調整するための変更に手間がかかる、どの値がどこに影響していたか覚えていない、などなど、関係者であれば頭を痛めたことが少なからずあるはずだ。そこで18日(デンマーク時間)、Robert Nyman氏が自身のブログに"Don't over-specify your CSS code"というタイトルのもと、CSSの記述に関する興味深い意見を掲載しているので紹介しておきたい。

同氏はCSSを書き始めた当初は、可能な限りすべてのCSS規則を記載しておきたいと考えていたという。その方が、CSSを見るだけでどのようなデザインを望んでいるかを即座に判断できると考えていたからだ。しかし、大小さまざまなWebアプリケーション開発に数年間携わってからは、必要以上に記述されたCSSはあまり優れたものではないと感じるようになったそうだ。

できるだけ記述内容を絞るのにはいくつか利点がある。まず、ファイルサイズが小さくなるため、Webページの読み込みがより高速になる。また、デフォルトに対する差分だけを書くことになるわけだが、コピペするだけで済むため、意外と使いまわしやすい。さらに、フルにCSSを記述する場合と比較して、短い方が予想に反して全体像を理解しやすかったそうだ。

FirebugYSlowといった優れたサポートツールの登場、CSS圧縮ツールの効果などもあり、CSSそのもののサイズはそれほど気にならない状況にはなってきている。さらにBlueprintに代表されるように、CSSもフレームワーク化されはじめており、同氏の主張とは異なる取り組みも多い。しかしながら、依然としてCSSをそのまま記述するシーンは多く、同氏の主張にも一理あると言える。CSSの記述に携わるデベロッパやWebデザイナは一度ブログを読んでみるといいだろう。コメントにも興味深い意見が掲載されている。