展覧会「Musica ex Machina -機械じかけの音楽-」が10月20日より、東京都目黒区にある東京大学大学院総合文化研究科・教養学部駒場博物館で開かれる。開催期間は12月2日まで。

「Flute Playing Machine」 Martin Riches

展覧会は日本学術振興会科学研究費補助金による「音楽文化における機械の役割-その歴史・現状に関する多面的分析と展望」研究グループによって企画された。

会場の中心に据えられているのは、イギリス人アーティスト、マーティン・リッチズ(Martin Riches、1942-)の音楽機械作品群。今回紹介される「Flute Playing Machine」や「Serinette(鳥オルガン)」などは、現代アートの作品とはいえ機械と音楽との歴史的な関係と無縁で成り立っているものではないことがわかるという。

また、音楽を機械で自動的に演奏させるというアイデアは、すでに古代ギリシャで考えられていた。あるメロディーを決まった時間に演奏する教会の時計は、中世ヨーロッパにおける代表的な自動演奏楽器といえる。17世紀には自動オルガンが発明され、18世紀半ばには演奏の記録と再生への関心を生み出した。展覧会では、約230年前の演奏記録を元にしたコンピュータによる再生を行う予定だ。現代と未来における「音楽」と「機械(技術)」を考える上で非常に示唆に富むものになるとしている。

なお、会期中の12月1、2の両日には国際シンポジウム「機械と音楽」が行われ、12月1日には記念コンサートも開かれる。入場無料。休館日は毎週火曜日で、時間は10時~18時(入館は17時半まで)。