The Eclipse Foundationは15日(カナダ時間)、リッチインターネットアプリケーション(RIA)を開発するためのAjaxプラットフォーム「Eclipse Rich Ajax Platform (RAP) 1.0」を発表した。Eclipse RAPはEclipseコンポーネントモデルを活用して開発された同プロジェクト初のAjaxプラットフォーム。OSGiスタンダードをベースとしており、OSGiモデルに準拠したコンポーネントの開発が可能。

Eclipse RAP 1.0は既存のEclipse IDEに対してAjaxアプリケーション開発の機能を提供する。このため、これまでEclipse IDEを用いてJavaアプリケーションを開発してきたデベロッパであっても、Eclipse RAP 1.0を導入することでJavaアプリケーション開発をそのままAjaxアプリケーション開発へ転用できるという特徴がある。

OSGiはアプリケーションとサービスの相互接続性を推進するための、サービス指向でコンポーネントベースの環境。OSGiをベースとしたEclipse RAPを使うことで、既存のエンタープライズシステムに対してコンポーネントベースで統合可能なAjaxリッチインターネットアプリケーションを作成できる。とくに再利用可能なコンポーネントの作成が容易な点が注目される。

Eclipse RAP 1.0はリッチインターネットアプリケーションの迅速な開発、試験、デバック、デプロイを行う機能を提供するほか、OSGiコンポーネントモデルにしたがったAjaxアプリケーションの開発機能を提供する。またスケーラブルユーザインタフェース、複雑なウィジェット、データバインディングなども用意されている。

Eclipseの最大の利点はプラグインで機能を組み合わせ、単体のプラグインが提供する以上の効率を実現できることだ。この特徴から、Eclipse RAPはリッチインターネットアプリケーションを開発するという本来の目的にとどまらず、ひとつのJavaコードベースからEclipse RIAとEclipse RCPの両方のアプリケーションの開発とデプロイが可能になっている。同特徴はEclipse IDEをデスクトップアプリケーションにもWebアプリケーションにも適用できるという点においてかなり興味深い。