The Codehaus、the Groovy development teamおよびG2Oneは12日(米国時間)、開発版Groovyの最新版となる「Groovy 1.1-RC-1」を公開した。GroovyはJavaで開発されたJava仮想マシン上で動作するスクリプト言語(「JSR 241: The Groovy Programming Language」に準拠)。Javaとよく似た文法を持ち、ダイナミックなシェルスクリプトからWebアプリケーションシステムの開発まで幅広く対応している。

Groovy 1.1-RC-1では特にパフォーマンスが改善された。テストスイートを使った比較で、以前の開発版リリースであるbeta-3よりも15%~45%ほど高速化されたという。特にパフォーマンスが改善されたのはJava-Groovy間のインタラクション部分だ。Groovyの成果物の多くがGroovy自体で開発されていることから、同パフォーマンス改善は大きな効果をもたらすと期待される。

また性能改善以外にも多くのバグ修正が施されている。特にJava SE 5サポート(パラメータアノテーション、static import、列挙型など)におけるバグの修正が注目される。それ以外にも新しいコマンドラインシェルgroovyshの追加など、細かく新機能が追加されている。

リリースの2日後となる14日(米国時間)にはGroovy 1.1-RC-1バイナリ、APIドキュメント、Wiki PDFスナップショット、ネイティブローンチャー、Gant 0.33、Scriptom 1.2、最新のGraphicsBuilder、SwingXBuilder 0.1.2などを同梱した「Windows-Installer for Groovy 1.1 RC1」が公開された。Windowsユーザーは同インストーラを使うとインストールを簡単に終えられる。RC-2は2007年11月はじめに、最終リリースとなる1.1は2007年11月中頃に予定されている。

G2OneはGrailsのリードであるGraeme Rocher氏、元JetBrains COOのAlex Tkachman氏、Groovy Project ManagerであるGuillaume Laforge氏によって創立された企業。同社はGrailsおよびGroovyの開発や改善、および同プロダクトを活用したプロフェッショナルサービス(トレーニング、サポート、コンサルティング)を提供することを目的としている。すでに4名がフルタイムで両プロジェクトに対して作業を行っている。GroovyとGrailsの開発は今後も継続して実施されていくようだ。