地上も上空も売りに出されるセカンドライフ。いったい誰が土地を売っているのか? そもそもバーチャルな土地って?

Seconf Life(セカンドライフ)で遊んでいく中で、ひとつのマイルストーンは「土地を買って我が家を建てる」ことでしょう。バーチャルな世界で土地を買う、というとナンセンスなことのように聞こえるかもしれません。でも、見方を変えれば、土地の購入とはつまり、サーバのレンタルのこと。Web上のホームページならぬ、「セカンドライフ内でのホーム作り」というわけなのです。

セカンドライフ内の自分の土地には、他人が自由に閲覧できるようにファイルを保存することができるし、他のユーザーの利用を制限することもできます。そして、サーバの所有者によって、借り手に許可されているパーミッションや料金も違ってきます。

ファイル容量といった単位はありません。セカンドライフ内の土地の「広さ」を考えるときは、見た目の広さのほかに、「プリミティブ(プリム)」という3Dオブジェクトの基本構成要素の数値が重要な基準になります。

そんな類似点や違いを少し気にしながら、サーバとしての土地をじっくりと見てみましょう。


リンデンラボ直轄地と業者が運用する土地

土地には、セカンドライフの運営会社リンデンラボ直轄サーバの「メインランド」と、ユーザーが同社からサーバ単位で借り切っている「プライベートアイランド」があります。リンデンラボがセカンドライフにおける経済の統計情報を報告しているWebサイト「EconomicsStatics」によると、10月2日現在、両サーバを合わせて1万台以上のサーバが稼働しています。サーバ1台によって作られる土地面積は、256メートル×256メートル=65,536平方メートル、この単位が「シム」と呼ばれています。ちなみに、セカンドライフの世界地図は10,000以上のシムから成り、この世界地図はセカンドライフに参加していなくても「SLurl」で閲覧することが可能です。

一般ユーザーがセカンドライフ内に土地を持つというのは、リンデンラボからメインランドを、または個人や企業などからプライベートアイランドの一部をレンタルすることを意味します。

そして「土地を買う」には、土地の購入代金と毎月の維持費がかかります。

メインランドに土地を購入するには、セカンドライフのプレミアム会員(月額約10USドル)になる必要があります。家などを建てるための一般的な最小単位となる512平方メートルの価格は、現在(10月初旬)だと、最低が3,000リンデンドル(1,500円程度) ほどです。維持費は512平方メートルまでは無料で、それを超えた分について512平方メートルだと月5USドルといった維持費が必要になります。

一方プライベートアイランドの場合、土地の価格は提供業者が設定するためさまざまです。1リンデンドルというタダ同然の土地が売りに出されていても、毎月の維持費がプレミアム会員費以上になるという土地もあるのです。

メインランドで100リンデンドルの安い土地をみーつけた、と思ったら、16平方メートルという小さな傾斜地でした(画面左)。それよりも厳しいのが画面右の土地で、3プリムという制限です。どんな人が購入して、どう使うのか興味のあるところです

プリミティブ(プリム)について
セカンドライフの世界を構成している基本となる3Dの構成要素。 デフォルトとしてサイコロ型や円柱などのプリムが用意されており、これを変形や色付けするなどして組み合わせ、様々なモノが作られている。右の図の場合、岩は大中小ともそれぞれ1プリム、花は3プリム、ハロウィーンのカボチャは3プリム、塀は1プリム、ピンクフラミンゴは14プリムを使っている。上限が3プリムの土地だと、3プリムの花を1本植えるだけで許可されたプリム数を消費してしまう。