米MozillaのJohn Resig氏は3日(米国時間)、ロンドンで開催された「The Future of Web Apps - Web 2.0 Conference and Expo」で発表した「The Future of Firefox and JavaScript」の資料を自身のブログで公開した。同氏は人気のあるJavaScriptで開発されたAjaxライブラリ「jQuery」の開発者でもある。FirefoxおよびJavaScriptの将来を語るには適切な人物のひとりといえる。

まず同氏は次期Firefox注目の機能としてSVG(SVG Foreign Objectのサポート、パイプラインにおける処理速度の改善)、Canvas 3D(Canvas 2Dのように使える3Dキャンバスのサポート、OpenGLの能力を活用、Cコードの組み込み対応)、Operaでサポートされているvideo要素およびaudio要素のサポート、オフラインWebアプリケーション(Mozilla実装、Google Gears、WHATWGがある)、クロスドメインXMLHttpRequestのサポート、JSONシリアライゼーションのサポート、WebRunnerやPrismによるデスクトップとWebアプリの統合などを挙げている。

資料の半分を割いて説明されているのは次期JavaScriptについてだ。Firefox 1.5ではJavaScript 1.6が、現行の2.0ではJavaScript 1.7がサポートされている。次期3.0ではJavaScript 1.8が、4.0ではJavaScript 2がサポートされていくことになる。サーバサイドJavaScriptも注目される。

実装ではAdobeから寄贈された新しい仮想マシン「Tamarin」が注目される。Tamarinは同社の開発しているActionScriptに対応した仮想マシンである。ActionScriptはJavaScript 2に類似していることから、JavaScript 2の仮想マシンとして注目されている。TamarinはSpiderMonkeyの実装に統合され、Firefox 4において搭載されることになるとみられる。

同発表資料はFirefoxに搭載される機能やJavaScriptの実装が完結にまとまっており、有益な内容が記されている。Webアプリケーションの開発者は読んでおくとよいだろう。