24日(米国時間)、XRubyの最新版となる「XRuby 0.3.1」が公開された。XRubyはJavaおよびRubyを使って開発されたRubyコンパイラ。RubyのソースコードをコンパイルしてJavaバイトコードを生成する。プロダクトはGNU GENERAL PUBLIC LICENSE Version 2のもとで公開されている。

XRuby 0.3.1では、Rubyスタンダードライブラリがあらかじめコンパイルされた状態でxruby.jarファイルに同梱されるようになった。このため、xruby.jarファイルをコピーするだけで使え、デプロイがかなり簡単になっている。また、すでにコンパイルされていることから、パフォーマンスを向上させるためにコンパイルするといった操作をいちいち行う必要がない。

xruby-0.3.1.jarはすでに4MB近くあるが、うち2MBほどがコンパイルされたRubyスタンダードライブラリとなっている。これでもまだ限定的なサポートに留まっているため、将来的にはコンパイルされたRubyスタンダードライブラリとXRubyの本体の2つのファイルに分割されて提供されることになるようだ。

またXRuby 0.3.1では、JavaレベルのメソッドをRubyレベルのメソッドへバインドされるためにアノテーションとコードジェネレーションが使えるようになった。同変更は0.3.0から取り組まれ、0.3.1で完成されたものだ。0.3.1は、0.3.0から1ヶ月半ほどで公開されたアップデートバージョン。変更内容を加味すると機能追加が実施されたメジャーアップデートとみなしていいだろう。

Javaで開発されたRuby実装系としては、開発者がサンにフルタイムで雇用されていることもあり、JRubyが代表的存在となっている。XRubyはJRubyとはアプローチが異なり、Rubyで開発したソースコードをそのままJavaで実行できるバイトコードに変換できる点が興味深い。JRubyとともに今後も注目していくべきプロダクトだ。