近代オリンピックの第1回アテネ大会から正式種目とされていたライフル射撃。競技参加国、地域はオリンピック全種目のうち陸上、水泳に次いで3番目に多く、世界的に見ても人気のある競技と言えるだろう。しかし、日本においてライフル銃の所持は銃刀法で厳しく制限されており、ライフル射撃の競技人口を増加させる際に大きな障壁となっている。

一方、5年前からNECと日本ライフル射撃協会が共同で開発を進めてきた「デジタル・シューティング」は、鉛製の弾薬や火薬の代わりに安全装置の付いた赤外線レーザー光線を使用。このため銃刀法の制約がなく、"誰でもどこでも安全にできる"射撃として世界各国から注目を集めている。今回マイコミジャーナル編集部では、デジタル・シューティングを実際に体験し、"子供から大人まで楽しめる"同スポーツの魅力について探ってみた。

デジタル・シューティングをするには、デジタル銃器、デジタル・ターゲット、パーソナル・コンピュータの3つが必要

デジタル銃器とパーソナル・コンピュータ。パーソナル・コンピュータはWindows XPのソフトがインストールされ、LANが接続できるようになっている必要がある

直径155.5mmの標的(デジタル・ターゲット)。標的の中心部分は直径11.5mmで、標的の黒い部分は直径59.5mm

デジタル・シューティングに必要な機材は、リサイクル可能な充電式電池を使用したデジタル銃器、デジタル・ターゲット、パーソナル・コンピュータの3つだ。デジタル銃器は競技で用いられるピストルと、重量(約1kg)も大きさも同じで、引き金等も銃器メーカーが実際に製造している本物。直径155.5mmの標的(デジタル・ターゲット)に銃器を向け、ターゲット内に焦点が定まるとはじめて、赤外線レーザー光線が銃器から発光されるため、人体に当たることなく安心してプレイすることができる。また、LANケーブルで接続されているパーソナル・コンピュータには、着弾点や得点などが表示されるので、観客もリアルタイムに射撃を見て楽しむことが可能だ。

デジタルピストルの数々。単3型充電式電池で作動し、コードレス。グリップは木製。競技で用いられるピストルと、重量(約1kg)と大きさがともに同じで、引き金等も銃器メーカーが実際に製造している本物だ

デジタル銃器はデジタルピストルのほかに、デジタルライフルがある。重量感も本物そっくり