最近、韓国のオンラインショッピングモール、とくにファッション分野において"日流"ブームが巻き起こっているという。

「Nippon Style」「Nippon Feel」が流行

こうした内容を発表したのは、オンラインショッピングモールの「LOTTE.COM」だ。同社によると「日本のファッションはとくに、既製服でも独特で個性あふれるデザインが多く、他と差をつけたい人の心理を満足させてくれる。それだけでなく、日本人と韓国人は体型が似ているので洋服選びもラク、という点も人気の要因となっている」という。

一口に「洋服」とは言うものの、日本と韓国では好みや着こなしに違いがあるようだ。韓国においては日本人と韓国人とを、ファッションで区別できる時も多々あるほどで、こうしたファッションはこれまで「一部マニアを中心に人気を得てきた」(LOTTE.COM)ものだった。

しかしそれが最近、大衆化することで、若者たちの間では「Nippon Style」「Nippon Feel」という言葉が使われるようにまでなっている。

そこまで人気があるのか実証してみるため、まずは「Nippon Feel」という単語を、韓国最大の検索ポータル「NAVER」で検索してみた。すると個人が経営しているような小さな日本ファッション販売サイトから、大型ショッピングモールの日本ファッションセクションまで、数多くのオンラインショップが見つかった。ニュース記事やブログにも「Nippon Feel」という言葉が使われていることが多い。日本のファッション好きが集まる同好会も存在していた。

この検索で見つかったファッションモールの1つを覗いてみると、そこでは洋服販売だけでなく、日本ファッションの分析やコーディネートの紹介記事までが充実し、まるでファッション雑誌のような雰囲気となっていた。

こうした状況なので、日本製品に注力したWebサイトも自然と増える。日本のファッション専門サイトから大型総合ショッピングモールまで、さまざまなWebサイトが日流ブームに対応している状況だ。

洋服に限らずあらゆる商品が購入可能

LOTTE.COMでは最近「Tokyo holic」をオープンさせた。ここは日本のファッションデパート「マルイ」と提携し、ここに入店している有名ブランドの洋服を取り扱っているのが特徴だ。とくに韓国にはまだ進出していないブランドの服を重点的に紹介しているほか、10代から40代まで幅広い年齢層に対応できる商品をそろえる。

一方オンラインショッピングモールの「GS eShop」にはカタログ通信販売の「ニッセン」が入店し、2,000以上の洋服やその他ファッションアイテムを販売している。日本ファッションのショップといえば、大体が若者向けが多いのが特徴だが、ここでは赤ちゃん用からビッグサイズまで、幅広く取り揃えているのが特徴だ。

Webサイト上で提供される洋服だけでは満足できない、という人のためのサービスも展開されている。オンラインショッピングモールの「KTmall」では、「Yahoo! JAPAN」や「楽天」などで販売されている洋服を、購入もしくは競売(入札、落札)代行をしてくれるサービスを提供中だ。自動翻訳機能を通じてKTmall内で、楽天などの品揃えを直接閲覧できる。洋服だけでなく、本、おもちゃ、スポーツ用品など、あらゆる分野の商品の購入が可能となっている。商品の支払いはKTmallが用意する決済方法を利用するので、日本語がまったくできなくても、安心してショッピングが楽しめるようになっている。

KTmallと同様に、Yahoo! JAPANや楽天などの購入、競売代行を行っているのが、NAVER内の「エンジョイジャパン」だ。ここは本来ショッピングモールではなく、旅行や芸能ニュースなど日本情報を総合的に取り扱うセクションだが、日本通やマニアが多いだけにこうしたサービスも用意されているようだ。

自分が良いと感じたものは何でも積極的に取り入れる若者を中心に、日流ブームは今でも広がりを見せている。実はここのところ韓国では日本小説や日本映画なども、若者を中心に人気で、これらを取り扱う書店や映画館が随分増えた。一部マニアや通だけでない、より多くの人に日本文化が受け入れられているというのは、大変嬉しい現象だといえる。