日中韓の企業が共同開発し、アジア標準のLinuxを目指す「Asianux(アジアナックス)」。このAsianuxがブレードサーバ市場に進出することとなった。

Asianuxの開発に携わっている韓国Haansoftは、ITサービス企業のCJ Systems、ソリューション企業のegeneraと、Asianuxをブレードサーバに搭載および販売するのための契約を締結したと発表した。

CJ Systemsは韓国内で、egeneraのブレードサーバを供給している企業だ。今回の契約によりCJ Systemsは、Asianuxを搭載したegeneraのブレードサーバを、韓国で販売していくこととなる。これに合わせ韓国Haansoftでは20日に販売予定である「Asianux Server 3」に、CJ Systemsとegeneraを通じたブレードサーバの多様な技術を移植し、ブレードサーバに搭載させることとなる。

販売面のメリットとしては、HaansoftにとってはAsianuxをブレードサーバに対応させることで普及を拡大できる一方、多くの公共機関に採用されているAsianuxの販売に携わることでCJ Systemsは営業力を強化、egeneraにとってはアジア全体の販路拡大につながるきっかけとなる。

Asianuxが搭載されたブレードサーバは、CJ Systemsを通じて10月から販売開始される予定だ。

ブレードサーバを「既存ラックマウント型サーバとくらべて運用費や電力の節減を実現しており、市場拡大が期待できる分野」と評価するHaansoft。今回の契約については「(莫大なネットワークが必要になる今後を見据え)Asianuxがサーバ市場の未来に備えて準備するという意味がある」と述べ、ブレードサーバ分野への期待度を語った。

アジアでの認知度も高まってきて採用例も増えているAsianuxだが、今回のブレードサーバ対応で新たな分野を開拓したといえる

Asianuxをブレードサーバに搭載するための契約調印式にて。左から、egenera副社長ジェイムス・ロン氏、CJ Systemsグループ事業推進室室長パク・ホンチョン氏、Haansoft常務チョ・クワンジェ氏