三菱重工業(MHI)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14日、種子島宇宙センターよりH-IIAロケット13号機の打上げを実施。搭載した月周回衛星「かぐや」(SELENE)は、打上げの約45分後にロケットと分離、所定の軌道への投入が確認された。

打上げに成功したH-IIAロケット13号機

前日までの悪天候が嘘のように、この日の天気は快晴。雲一つない、とまではいかないが、打上げを見るには上々のコンディションの中、10時31分01秒(日本標準時)に13号機は打上げられた。肉眼でも1~2分間、双眼鏡を使っていた人は4分間くらいも追跡することができたそうだ。

打上げ前のH-IIAロケット13号機

打上げ直後。ゆっくり上昇する

上昇中の13号機

まだ辛うじて見える

打上げ後も13号機は順調に飛行を続け、ほぼ予定通りの45分34秒後に「かぐや」の分離が確認された。暫定値ながら、投入された軌道は、遠地点高度が23万3,307km(計画値: 23万3,038km)、近地点高度が281.303km(同281.331km)、軌道傾斜角が29.938度(同29.937度)と発表されている。

H-IIAロケットは6号機の失敗以降、これで7機連続の成功。次の打上げは、超高速インターネット衛星「WINDS」が今年度冬期に予定されている。

ちなみに打上げに先立ち、種子島宇宙センターの記者会見室では、「かぐや」愛称募集キャンペーンの当選者への認定証授与式が行われた。「かぐや」と投票した1,701名の中から選ばれたのは東京都から来たという志村夏海さん(24歳)。JAXAの間宮馨副理事長より、認定証と記念品が贈呈された。

感想を聞かれ、「成功してほしいです」と志村さん(左)