米Appleは米国時間の9月5日、カリフォルニア州サンフランシスコでスペシャルイベントを開催。CEOのSteve Jobs氏が基調講演を行い、iPod全製品を一新すると共に「iPod touch」や「iTunes Wi-Fi Music Store」などを発表した。

スペシャルイベント会場となったMoscone West

開場を待つプレス関係者

同社は6月29日(米国時間)にiPhoneを発売し、8月8日(同)にスペシャルイベントで新型iMacとiLife '08、iWork '08を発表、そして今回のiPodと、怒濤の新製品ラッシュを展開している。ただしiPhoneやiMacなどが米国の新学年シーズン前を狙っていたのに対し、今回のiPodの発表は米国では11月後半から始まるホリデーシーズンがターゲットだ。

過去3年のiPodの累積販売台数を見ると、2005年と2006年のホリデーシーズンの著しい伸びがiPod市場の拡大につながった。ちなみに2006年のホリデーシーズン向け新製品は、iPodの新モデル、第2世代のiPod nanoとiPod shuffle、iPod nano 8GBの(PRODUCT) RED Special Editionなど。2005年は初代iPod nano、第5世代iPodだった。

今年は昨年のような全製品にわたるリニューアルが行われ、さらにiPod touchという一昨年の初代iPod nanoに匹敵するようなインパクトのある新製品が登場する。Jobs氏が「最高のラインナップを用意できた」と述べるように、非常に魅力的な製品が店頭に並ぶ。時間的にも在庫を十分に揃えられる発表で、今年のホリデーシーズンも過去2年と同様にiPodがホットアイテムとなりそうだ。

ただし今回のスペシャルイベントでAppleは、大きな課題を1つ残してしまった。それを証明するように、同イベント終了後からApple株が下がり始め前日比5.13%の下落で終了した。スペシャルイベント前に新製品への期待から急騰していたことを考慮したとしても、気になるウォールストリートの反応である。

過去3年間のiPodの累積販売台数。05年と06年はホリデーシーズンに大きな伸びを記録

スペシャルイベントが開催された米国時間9月5日のApple株価の動き