ハイグロッシー、ピカソ的デザイン - デザインで勝負! の韓国PC

これまで高機能である反面、無骨なイメージのあったデジタル機器が変貌を遂げている。携帯電話やテレビなど、さまざまな家電にデザイン改善の努力が見られるが、最近ではSamsung電子とLG電子が、PCを巡ってデザイン性の高い端末を発表している。

つや感のあるノートPC

Samsung電子は、自社のノートPCシリーズ「SENS」に「R60plus」「R20plus」「R25plus」の3機種を追加し、販売すると発表した。

14.1インチモデルのR20plusおよびR25plus、15.4インチモデルのR60plusは、いずれもPC筐体表面に「ハイグロッシーブラック」という光沢のあるデザインを適用している。またPCを開くと内部は「無駄な機能やボタンはなくした」(Samsung電子)というシンプルなデザインが特徴となっている。さらにキーボードにはバクテリアの発生を防止する「銀ナノ抗菌キーボード」を適用し、清潔感を強調する。

Samsung電子では8月末にも、インテリアのようにシックなハイグロッシーブラックのレーザープリンタと複合機を発表し、2005年から販売している高級テレビシリーズ「ボルドー」にも、同様のデザインを適用している。光沢あるデザインを家電に適用し、高級感を出すというのは、ここ最近の同社製品の1つの流れになっているといえる。

機能的には、ビジュアル関連機能が強化されているのが特徴だ。R60plusとR20plusは高輝度･高光沢のワイド液晶を搭載、グラフィック機能としてはATi Radeon Xpress 1250を適用。「DVD映画鑑賞やマルチタスキングでの作業に最適化した」(Samsung電子)という。一方R25plusもワイド液晶を適用しているほか、グラフィック機能としてATi Mobility Radeon X2300を搭載している。

このほかCPUにはいずれもCore2 Duoシリーズが搭載され、OSはWindows Vista Home Premiumが搭載される予定だ。

価格はR60plusは100万ウォン(約123,600円 / 1円=0.1236ウォン)台、R20plusは120万ウォン(約148,300円)台、R25plusは150万ウォン(約185,400円)台となり、Samsung電子のその他機種と比べればそれほど高価な部類には属さない。Samsung電子では「優れた性能と、洗練されたデザイン、合理的な価格まで、すべての条件をあわせ持った製品」と、これらの製品に自信を持つ。

"ピカソデザイン"のPC「ブラックピカソ」

LG電子では「2008年型 ART PC」シリーズとして「ブラックピカソ」を販売した。ブラックピカソは、同社のデスクトップPC「XPION」(モデル名はA10)と、ディスプレイ「FLATRON」(モデル名はLX97WH)を組み合わせたものだ。

ART PCシリーズの第1弾というブラックピカソは「性能に特化した競争が行われてきたデスクトップPCに、アートの概念を適用」(LG電子)したという点が新しい。ちなみにブラックピカソという名前は「ピカソがPCを作ったら、どんな風に作ったか?」という発想に基づいてデザインされたものだという。

こうして登場したブラックピカソの注目すべき点は、まず幅8.9cmというスリムさだ。前面は半自動のスライドドアとなっており、内部に電源以外の機能を詰め込むことで、すっきりしたデザインを実現した。丸型のスイッチはタッチセンサーとなっており、電源が入るとパステルカラーの青いLCDが光るので「ブルームーン」とも呼ばれているのだという。そして「彫刻作品を連想させる」(LG電子)という「3D立体パターン」で、本体に立体感をつけた。本体の色は「シルキーブラック」「スノーホワイト」「ファンタジーレッド」の3種類だ。

このほかのスペックは、CPUがIntel Core2 Duo E4400(2.0GHz)、320GBのHDD、グラフィック機能にはNVIDIA Geforce 8500GTを採用している。

一方ディスプレイは、LG電子得意の分野とあって高性能だ。5000:1の明暗比、300カンデラの輝度を誇り、ヒンジを2カ所に持つデュアルヒンジで、ユーザー好みの角度にディスプレイを自由に設定することができる。またPC本体とデザイン的に調和するよう、ハイグロッシーデザインを適用した。

LG電子では、こうしたデスクトップPCを販売することとなった背景として「顧客からの要求を反映したもの」と述べている。またこうした要求に応え、同様のシリーズを今後も販売していく予定であることも明らかにした。