独SAPは28日(現地時間)、インド市場をさらに強化し、インドに設立した自社ラボを中心に2010年までに10億ドルを投資する計画を再確認した。これにより、インドを同社の開発/サポート/サービスのハブにしていくという。この一環として、印Wiproとも提携を拡大する。

SAPは2006年、2010年までの戦略を発表、世界で10万社の顧客獲得を目標に掲げていた。以来、この目標を実現するにあたり、中小規模市場(SMB)と新興国市場の2つの市場に強化している。

SAPによると、2006年8月からの1年間でインド市場における顧客数は倍増し、現在2,000社に達したという。中でもSMBセグメントが好調で、同社の中規模企業向けソリューション「SAP All-in-One」、小規模企業向け「SAP Business One」などの導入が進んでいるという。同社によると、業務アプリケーションベンダーでインドにおける顧客数が1,000社を上回ったのは自社が初としている。

SAPはインド市場を重要視しており、本拠地のあるドイツに次ぐ研究開発拠点となっている。まず、1998年にバンガロールにインド初のSAP Labsを設立、開発、サービス、サポートのハブ的役割を果たしているという。2006年にはグルガオンにサービスセンターを設立、SAPおよびSAP顧客企業向けにサービスを配信する拠点となっているという。

同社は2006年、SAP Labsを中心に2010年までにインド市場に10億ドルを投資することを明らかにしていた。今回、今後もこの計画を進めながらインド市場を強化する、と計画を再確認した。

同日、SAPはインドの大手ITサービス企業、Wiproと提携を拡大したことも発表している。WiproのグローバルITサービス部門と結んだもので、WiproはSAPのグローバルサービスパートナーとなり、SOAの導入を中心にインド企業にソリューションを提供する。この提携の下、2社はSOAのベストプラクティスなどをデモする場として、バンガロールにソリューションラボ「SAP Solutions Lab」を立ち上げる。

SAPによると、インドのパートナー企業は200社以上に達したという。これにより、インド国内で地理的にも技術カテゴリ的にも包括的なソリューションを提供できる体制としている。