キヤノンは27日、大判インクジェットプリンター「imagePROGRAF」の新シリーズ「8色シリーズ」として、60インチ用紙サイズ対応の「iPF9000S」、および44インチ用紙サイズ対応の「iPF8000S」を発表した。発売は9月下旬、価格はそれぞれ189万8,000円(税別)、59万8,000円(税別)。

60インチ用紙サイズに対応した大判インクジェットプリンター「imagePROGRAF iPF9000S」

44インチ用紙サイズに対応した大判インクジェットプリンター「imagePROGRAF iPF8000S」

今回発表された新製品では、顔料インク「LUCIA」を使った新開発の8色インクシステムを採用している。シアン、フォトシアン、フォトマゼンダの各色を2つのプリントヘッドに対称に配置して双方向印刷時にインクの色の順序を往路と復路で同じにすることで、インクを重ねる順序によって発生する微妙な色の違いを抑え、少ない印字走査で色ムラの少ない安定した画像出力を実現している。また、高密度プリントヘッド技術「FINE(Full-photolithography Inkjet Nozzle Engineering)」により1,200dpiのノズル列を各色ごとに2列ずつプリントヘッドに配置し、高速イメージプロセッサ「L-COA」と併用することで最小4ピコリットルの極小インク滴を従来よりも多く吐出可能とした。これにより、高精細と高濃度を両立しながらもA0サイズで約4.9分の高速印刷を実現している。

画質については、グレーインクを使って安定したグレーバランスと粒状感が少ないなめらかな階調表現を可能としたほか、高精度自動カラーキャリブレーション機能や同社独自のカラーマネージメント技術「Kyuanos」による「環境光補正プリント」機能により、安定した色再現や出力物の使用場所に合わせたプリントが行える。また、多様なサイズでのフチなし印刷やデジタル写真プリントのワークフローを効率化する「Digital Photo Front-Access」、プロ品位ポスターを簡単に制作できるオプションの「PosterArtist 2007」などのソフトウェアソリューションも用意されている。

80GBハードディスクドライブの搭載に加え、印刷中でも交換可能な2種類のサブタンク付き大容量インクタンク、インクの使用量を抑えるエコノミーモードなども用意されている。

同社では、大判印刷が要求される出力センターやポスター出力、屋内外用のサインやディスプレイといった用途を想定している。