KDEプロジェクトは2日、統合デスクトップ環境K Desktop Environment(KDE)の次期バージョン「KDE 4.0」のβ第1版を公開した。日本時間の3日時点では、SUSE LinuxベースのライブCD「KDE Four Live」を通じ、バイナリパッケージが提供されている。

KDE 4.0は、2002年4月リリースのKDE 3.0に大幅な改良を加えたメジャーバージョンアップ版。GUIツールキットには最新のQt 4.3を採用、マルチメディアAPI「Phonon」やハードウェア抽象化レイヤ「Solid」を追加するなど、基盤API層が大幅にリニューアルされている。

5月に公開されたα第1版以降の変更点としては、同梱されるアプリケーションの改良が挙げられる。地球儀状の球体に地図を表示する「Marble」は、Google EarthのKMZファイルとの互換性を持つほか、ハードウェアアクセラレーションの支援なしに高速な表示が実現されている。ウインドウマネージャーの「KWin」もリファインされ、表示効果の増強や低スペックマシン向けの表示能力自動調整機能が搭載された。

新しいデスクトップシェル「Plasma」は、処理用のスクリプト言語としてJavaScriptをサポート。Mac OS X TigerのDashboardとの互換性を持つレイヤーの実装により、まもなくDashboardウィジェットのサポートが追加されるとのこと。なお、Mac OS XのWebブラウザSafari(DashboardはSafariベースのウィジェット実行環境)は、KDEで開発されたWebブラウザ「Konqueror」を基礎として開発がスタートした経緯がある。