Red Hat, JBossは25日(米国時間)、JBoss Rulesの最新版となる「JBoss Rules 4.0」を公開した。JBoss RulesはDroolsをマージしたプロダクトであることからJBoss Droolsと表記されることもある。JBossからのリリースではJBoss Rules 4.0の名称になっているが、The Drools Teamからの発表ではJBoss Drools 4.0の名称が使われている。

JBoss RulesはJavaで開発された宣言型ルール言語。3.0からはEclipseルールフローモデラも同梱されている。同成果物を使うことでエンタープライズレベルのビジネスルールマネージメントが可能になる。JBoss Rules 4.0における主な特徴は次のとおり。

  • ルール記述の表現力向上
  • より強力な宣言キーワードの追加
  • 外部データを評価するためのキーワードとして「from」を追加(Hibernate対応)
  • MVELに対応したプラガブル機構の追加
  • 新しいEclipseルールフローモデラの導入
  • パフォーマンスの改善
  • IDEの改善
  • Web 2.0 Business Rules Management Studioによるエンタープライズへの対応強化

ルールの記述性が向上していることはもちろんだが、従来の3.x系と比較してより高速に動作するようになったこと、より少ないメモリで動作するようになったことが注目される。またAPIの再設計が行われ、明示的なステートレスAPI/ステートフルAPIの導入、非同期のワーキングメモリアクションメソッドの導入、スレッドセーフ動作の改善も注目される。

またWebブラウザで動作するルールエンジンBusiness Rules Management Studioの導入により、Webブラウザから作業が行えるようになった点も評価できる。JBoss Rules 3.x系を採用している場合はJBoss Rules 4.0へのアップグレードを検討されたい。

JBoss DroolsはThe Codehaus傘下のもとThe Drools Projectによって開発されていた「Drools」を取り込んだプロダクト。JBossは2005年10月11日(米国時間)、DroolsをJEMS(JBoss Enterprise Middleware System)にマージしていく旨を発表し、JBoss Rulesとしてリリースしてきた。

Droolsは、もともとはカーネギーメロン大学のCharles L. Forgy教授によって開発されたRateアルゴリズムをベースに開発されたビジネスルールエンジン。RateアルゴリズムはCLIPS、JESSなど有名なエキスパートシステムのベースアルゴリズムとしても採用されている。