欧州委員会(EC)は25日(現地時間)、無線周波数帯の規制を緩和し、現在GSM(Global System for Mobile Communications)が独占的に利用している900MHzと1800MHzを他の技術にも開放することを提案した。これにより、モバイルサービスの拡充とコスト削減を実現できるとしている。この提案は今後、欧州議会と閣僚理事会で審議にかけられ、年内にも承認となる見通しだ。

ECは今回、「GSM Directive」の撤回、それにGSMと共存する新技術への無線周波数帯の開放の2つの提案を行っている。GSM Directiveは1987年に成立した指令で、無線通信方式のGSMが900MHz帯と1800MHz帯を独占的に利用できるとするもの。

ECでは提案の方針について、900MHz帯と1800MHz帯を現行のGSMに割り当てつつ、GSMと共存する次世代の無線技術にも開放していくと説明している。GSM以外の無線技術に開放することで、新しいデータ通信やマルチメディアサービスを容易かつ低コストで実装できるようになり、カバーエリア拡大にもつながると述べている。

GSM周波数帯の開放は経済効果ももたらし、提案が実現すれば、欧州の無線通信分野は今後5年でネットワークへの支出を約40%削減できる予測という。