イギリス放送協会(BBC)は23日(現地時間)、ユーザーがWeb上で自分の思い出を投稿する思い出共有サイト「BBC Memoryshare」を開始することを発表した。当初パイロットプロジェクトとして運営し、ユーザーはBBCの各地方サイトで自分の思い出をシェアできる。BBCでは、「普通の人々が歴史を記すチャンス」としている。

BBC Memoryshareは、一般ユーザーが自分の思い出を寄稿し、共有するWebサイト。BBCの地方サイトが運営し、まずはサウスヨークシャーの地方サイトで25日に実験的に開始する。すでにノーフォーク、ロンドンの2地方で限定的にスタートしており、年内に他の地方でも開始する計画という。

思い出を寄稿するには登録が必要で、16歳以上であれば、自分の思い出を特定の日付、または期間で投稿できる。募集する思い出は1900年1月1日から現在までのもので、地域は英国内に限定しない。個人的な体験でも、特定のイベントにまつわる思い出でもよいという。ユーザーは自分が投稿した思い出にキーワードを付加でき、他のWebサイトへのリンクはもちろん、Flickr、YouTubeなどに掲載している写真や動画へリンクを貼ることもできる。WebサイトではRSSフィードも提供している。

閲覧に関しては登録不要で、日付とキーワードでブラウジングして、他の人の思い出を読むこともできる。コメントも加えることも可能。先行してスタートしたロンドンでは、まずはBBCが1977年のエリザベス2世即位25周年式典に関する思い出を募集、これに応じる形で思い出が投稿されている。

BBCでは、今後自社のニュースアーカイブと連動させる計画で、ユーザーがその時々の事件やイベントとともに自分や他のメンバーの思い出を閲覧できるようにする計画という。

この共有サービスの趣旨について、BBCの担当者は「見逃せなかったコンサート、子供の誕生、国民を団結させるイベントなど、一般の人々の体験を知りたい」と説明している。「BBCはこれまで、ニュースを設定し見出しをつけてきたが、今度は一般の人々の大切な話を聞きたい。普通の人々がこの100年の歴史を書き、集合的な思い出や物語をシェアするチャンスだ」と説明している。

BBCでは今後、寄せられた思い出をBBCのプログラムコンテンツ作成に役立てることも検討しているという。