宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業(MHI)は20日、8月16日に予定していた月周回衛星「かぐや」(SELENE)の打上げを延期すると発表した。理由は、搭載する子衛星に不具合が見つかったため。新たな打上げ日については未定だ。

月周回衛星「かぐや」(SELENE)。衛星本体の上に2つ乗っているのが、今回不具合が見つかった子衛星(提供:JAXA)

「かぐや」は、搭載する15種類もの観測機器により、約1年間にわたって、月の全球観測を行う探査機。月の重力の分布を調べるためなどに、2つの子衛星(リレー衛星とVRAD衛星)も搭載している。H-IIAロケット13号機により打上げられる予定。

JAXAは、今年度冬期の打上げを予定している超高速インターネット衛星「WINDS」の地上試験において、コンデンサの極性が逆に取り付けられているミスを発見したという。これを受け、「かぐや」でも同様の問題がないか調査したところ、子衛星のコンデンサ2個で同様のミスがあったことが明らかになった。

当該部品の交換を行うために、JAXAは打上げの延期を決定。新たな打上げ日については未定だが、今回は予備期間が8月17日~23日、9月13日~21日と2回に分かれており、9月に延期される公算が高い。