インターネット利用モニタリングツールベンダーの仏XiTiによると、欧州ユーザーの27.8%がMozilla Foundationが開発するオープンソースのWebブラウザ「Firefox」を利用しているという。欧州におけるFirefoxのシェアは着実に増えており、米Microsoftの「Internet Exploler(IE)」のシェアを侵食しつつあるようだ。

この調査は、同社の調査部門XiTiMonitorが行ったもの。欧州連合(EU)27カ国を含む欧州32カ国を対象に、95,827件のWebサイトに対し、どのWebブラウザからアクセスしているかを調べた。

7月2日から8日の1週間、Firefoxの利用率は27.8%と過去最高に達した。同期、IEは66.5%でトップ、2位はFirefoxで、3位は「Opera」の3.5%、4位は「Safari」で1.7%となった。

Firefoxの利用率は、前年同期(2006年7月3日から9日)は21.1%、4カ月前(2007年3月5日から11日)は24.1%であることから、安定して増加していることが分かる。一方、IEの利用率は、前年同期は73.3%で今期は6.8ポイント減った。このようなことから、Firefoxのシェア増加とIEのシェア減少が同時に起こっているといえる。

対象となった32カ国の中でも、Firefoxのシェアが特に高い国は東欧各国。最も高かったスロベニアでは同期47.9%となったほか、スロバキア(40.4%)、ハンガリー(39.7%)、ポーランド(39.6%)、クロアチア(39.6%)などの国で、シェア値がほぼ4割となった。東欧以外では、フィンランドが45.4%でスロベニアに次ぐ2位となった。

今期、最もFirefox利用率の伸びが高かったのはアイルランドで、4カ月前の24.9%から一挙に38.6%に増やした。これは55%の増加率となる。

一方、利用率が低い国は、オランダ(13.3%)、デンマーク(13.8%)、モナコ(13.7%)など。だが、32カ国すべての国で、4カ月前と比較して利用率が増えている。

XiTiによると、世界的に見ると、Firefoxのシェアが高いのはオーストラリアを含むオセアニア地区(28.9%)。以降、欧州、北米(18.7%)、南米(15.5%)、アフリカ(14.7%)、アジア(14.3%)の順という。