NECは9日、クアッドコアIntel Xeonプロセッサを搭載したフォールトトレラント(無停止型)サーバの新製品「Express5800/320Fc-MR」(以下、320Fc-MR)を発表した。シングルコアモデルと比較して最大約5倍の性能向上が実現されているほか、Red Hat Enterprise Linuxを新たにサポート、ハードウェア単体での可用性に加え、システム全体の可用性やパフォーマンスの向上が図られた製品となっている。

Express5800/320Fc-MR

同製品は、同社が展開する高可用性フォールトトレラントサーバ「Express5800/ftサーバ」(以下、ftサーバ)シリーズの新製品。同シリーズではNECが開発した高可用性技術「GeminiArchitechture(ジェミニアーキテクチャ)」が採用されており、主要コンポーネントがすべて二重化されている。320Fc-MRではこのGeminiArchitechtureの中核であるチップセット「GeminiEngine」を強化、クアッドコアXeon X5355(2.66GHz)に対応したほか、CPUとメモリをつなぐFSB(フロントサイドバス)を1,333MHzに高速化し、従来モデルに比較して最大約5倍の性能向上が実現された。

OSにはWindows Server 2003 R2, Enterprise Edition SP2のほか、ftサーバシリーズとしては初めてRed Hat Enterpirse Linux v.4をサポート。これにより多くのOSSアプリケーションや市販アプリケーションが利用可能になる。なおWindowsモデルには、二重化されたコンポーネントの片方を個別に動作させる機能「Active Update」が実装されているので、システムの再起動を行わずともセキュリティパッチや修正プログラムの適用が可能になる。

価格はWindowsモデルが390万円(税抜)、RHELモデルが385万円(税抜)。出荷開始はWindowsモデルが8月6日から、RHELモデルが10月15日から。