The Codehaus、the Groovy teamは5日(米国時間)、Groovyの開発最新版となる「Groovy 1.1-beta-2」を公開した。GroovyはJavaで開発されたJava仮想マシンで動作するスクリプト言語。Javaとよく似た文法を持つスクリプト言語で、ダイナミックなシェルスクリプトからWebアプリケーションシステムの開発まで幅広く対応している。規格自体は「JSR 241: The Groovy Programming Language」において標準化が進められている。

Groovy 1.1-beta-2は10月にリリースが予定されているGroovy 1.1へ向けた開発リリースという位置づけ。1.1-beta-2における主な改善点は次のとおり。

  • J2SE 5.0 アノテーション使用に関して発生していた問題の修正
  • Groovyにおけるジェネリクスの改善(すでに生成されるバイトコードプロパティはリフレクション情報を含んでいるほか、static importsにも対応している)
  • Groovy/Grailsにおける統合性の改善
  • 名前つきパラメータをトップレベルステートメントとして指定できるように変更
  • 以前削除されたものの、ユーザからのリクエストが多かったことから従来のfor loop構文を再度導入
  • Groovy文法のクリーンナップ
  • 並列処理におけるパフォーマンスの改善
  • Eclipse plugin/IntelliJ IDEA pluginの改善
  • 100を超えるバグの修正

同リリースにあたっては2つの大きな支援があったとされている。まずひとつはJBoss SeamにGroovyを統合したJBossデベロッパの支援で、同支援によってJ2SE 5.0 アノテーションのサポートが実現されたとされている。もうひとつはJetBrainsの支援で、IntelliJ IDEAに対してJava/Groovyコンパイラが提供されたとしている。この機能提供によってJavaとGroovyのコードを分離する必要がなくなり、GroovyとJavaのソースコードをGroovycコンパイラを使って簡単にビルドできるようになったとされている。

なお、Java仮想マシンで動作する代替スクリプト言語において、アノテーションとジェネリックをサポートしたのは初めて。今回の機能追加によりGroovyは、エンタープライズアプリケーションフレームワークにおいても採用しやすいスクリプト言語になったといえそうだ。次期リリースにはまだ数ヶ月の期間があるが、Groovyの採用を検討している場合は本リリースを調査しておくといいだろう。