香川県の中小企業などに、ITを活用した経営改革を促す「かがわIT経営応援隊」が発足。そのキックオフが4日、香川県高松市の高松商工会議所において行われた。また、同時に「IT経営キャラバン隊in高松」を開催。同キャラバン隊が、四国地区出陣式を行った。キックオフおよび出陣式、セミナーには、高松商工会議所の関係者、地元の中小企業経営者など約120人が参加した。

かがわIT経営応援隊は、四国経済産業局から委託を受け、財団法人かがわ産業支援財団が運営している団体。香川県内の中小企業の「IT経営」化を支援することで、企業の競争力強化や付加価値増大を図り、IT経営のモデルとなる企業の創出を目指している。

挨拶するダレン・ヒューストン社長

テープカットを行うマイクロソフトおよび香川県関係者

出陣式には、マイクロソフトのヒューストン社長のほか、衆議院議員の平井卓也氏、香川県副知事の高木孝征氏、四国経済産業局・塚本芳昭局長、ITコーディネータ協会の関隆明会長、高松商工会議所情報化委員長の北村忍氏などが参加した

キックオフを記念して開催されたセミナーでは、インターネット通販によって、事業を拡大した企業の事例や、IT活用によって業務改革を実現した事例を紹介。ハンズオンコーナーでは、地元IT企業のプロダクトの展示や、WindowsVistaやOffice2007を搭載した最新PCの展示などが行われた。

四国経済産業局・塚本芳昭局長は、「地域経済の活性化をどうするかが大きな課題。ITを活用した仕組みは必要であり、今日を皮切りに、四国全体に展開されることを期待している」とした。

セミナーには約120人が参加した

ハンズオンコーナーでは、ヒューストン社長も展示を真剣に見ていた

IT経営キャラバン隊の「チャレンジ号」

一方、IT経営キャラバン隊は、ITコーディネータ協会およびマイクロソフトなどが中心となり、12の団体/企業が共同で取り組んでいるもの。マイクロソフトから寄贈されたマイクロバスの「チャレンジ号」で全国を巡回。ドームテントなどを活用して、展示コーナーを設営。IT経営モデル、再チャレンジモデル、ブロードバンド教育モデル、電子自治体モデルなどのセミナーコンテンツを用意し、これらを実機を活用したハンズオン型のセミナーとして展開している。

チャレンジ号は、2006年12月から福岡での開催を皮切りに巡回を開始。これまでに36カ所(別途、マイクロソフトが巡回している"マイクロソフト号"を含むと88カ所)で開催。チャレンジ号とマイクロソフト号をあわせて、全国各地の中小企業の経営者など1万2,310人が参加している。四国では、7月4日の高松での開催が最初となり、9日に今治、10日に徳島、13、14日に松山で、それぞれイベントおよびセミナーを開催する予定だという。

マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長は、「中小企業、地域経済における情報格差が日本における課題だといえる。IT経営キャラバン隊は、それを解決する努力を続けている。マイクロソフトは日本で事業を開始してから、20年を経過し、昨日、ようやく四国支店を開設した。時間がかかりすぎたという反省はあるが、ITの活用によって、経営の効率化や地域の活性化を促す触媒の役割を果たし、四国の活性化の一翼を担えればと考えている」とした。

IT経営キャラバン隊を支援しているマイクロソフトのPLAN-J推進本部・秋本則政本部長は、「IT経営キャラバン隊は、地場の商工会議所、ITコーディネータ、地元のベンタを連携させ、ITによる経営効率化を目指すが、一時的なイベント開催に終わらせるのではなく、地域で中小企業を支援する仕組みを残していくことに力を注いでいる。地元の関係団体、企業とをマッチングさせ、どうしたら中小企業をITの観点から支援できるかといったミーティングを行い、それをトラッキングできる仕組みも用意する。また、商工会議所にフリースポットを設置するといった支援も行っている。キャラバンを通じて、商工会議所、自治体、教育機関など全国100カ所に設置したい」とした。

また、マイクロソフトのPLAN-J推進本部事業推進部IT経営キャラバン隊担当・白水公康担当部長は、「各地からぜひきて欲しいという多くのリクエストをいただいており、年内までの予定を来年3月末まで延長した。マイクロソフト号は、来年6月まで期間を延長することを決定した」という。

マイクロソフトのPLAN-J推進本部・秋本則政本部長

マイクロソフトのPLAN-J推進本部事業推進部IT経営キャラバン隊担当・白水公康担当部長

マイクロソフト号は約3万人のセミナー受講を、チャレンジ号では4万人のセミナー受講を見込んでいる。