マイクロソフトと香川県は4日、ITベンチャー支援プログラムの実施に関して、覚書を締結した。高松市内の香川県庁舎知事応接室で行われた調印式では、香川県知事の真鍋武紀氏と、マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長がそれぞれ覚書にサインし、書面を交換した。

覚書にサインする香川県・真鍋武紀知事と、マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長

お互いに書面を交換し、握手する

これがサインした覚書

今回の協業は、3日にマイクロソフトが高松市内に四国支店を開設したのを契機に、地域貢献への取り組みを加速する施策のひとつとして打ち出したもので、今後、香川県とマイクロソフトは、相互に協力/連携することで、「ITベンチャー支援プログラム」を実施。ITを活用した県内産業の振興へとつなげる考え。

香川県の真鍋知事は、「技術支援、マーケティング支援、広報面からの支援を通じて、地場のITベンチャー企業の育成に取り組みたい。マイクロソフトとの協力によって、成果を期待したい」とした。

またヒューストン社長は、「デジタルデバイドは、貧富の差によって起こる国もあるが、日本が直面しているデジタルデバイドは、大都市部と地方都市の情報格差や技術格差、大手企業と中小企業との情報格差だといえる。地場企業との協業で、これらの格差を埋める努力をしていきたい。マイクロソフトは、今回のITベンチャーに対する育成支援プログラムを通じて、地域経済に貢献したいと考えており、香川県における協業が、四国全域に広がることを期待している」とした。

ITベンチャー支援プログラムの対象となるのは、香川県内のITベンチャーや中小IT企業で、年内に公募し、香川県が第一次審査を、マイクロソフトが最終審査をそれぞれ行い、支援対象企業を選定する。

マイクロソフトでは、技術支援として、開発ツールや開発ソフトの提供、アドバイザーサービスの提供、カンファレンスや研修会などを行うほか、マーケティング支援として、認定された製品に対して、マイクロソフトのロゴ使用許諾、米国本社研修への招待、ウェブサイトやカタログによる製品紹介などの支援を行う。また、香川県では、ITベンチャー支援プログラムに関する広報、啓発活動や、対象企業の募集、自治体への支援体制の要請、報告会の開催などを行う。

「大学進学率が高まる一方で、そのまま県外の企業へ就職してしまい、若い就労人口の不足が問題となっている。平成12年以降、香川県の人口は減少傾向にあり、地域経済の活性化のための施策が求められている。今回の協業によって、受け皿となる企業を創出できるなど、香川県経済にプラスになることを期待している」(香川県商工労働部産業政策課)としている。

香川県では、2006年6月に「香川県情報化推進指針2006」を策定し、県民生活の向上や産業振興などにおいて、情報化の恩恵を最大限享受できるよう、くらしの高度情報化、産業の高度情報化、行政の高度情報化、情報通信基盤の整備に取り組んでいる。また、同指針での重点項目として、ブロードバンド基盤の整備をはじめとする情報通信基盤の整備促進、県民の情報活用能力の向上、電子県庁(電子自治体)の推進、庁内情報システム最適化の推進を掲げている。こうした県全体の情報化への取り組みにも、マイクロソフトとの協業が生かされることになりそうだ。

一方、マイクロソフトでは、3カ年の中期経営計画「PLAN-J」に取り組んでおり、7月から始まった同社新年度が、最終年度となっている。PLAN-Jでは

  • 日本における投資の拡大
  • 企業およびコンシューマ双方における技術革新の促進
  • 政府、教育機関および産業界とのより深く明確なパートナーシップ

の3点を掲げており、これらを実現する手段として、地域貢献への取り組みを加速している。

同社はこれまでにも県や地方自治体との協業を発表しており、今回、香川県と協業した「ITベンチャー支援プログラム」は、すでに北海道、秋田県、埼玉県、神奈川県、岐阜県、札幌市、仙台市、北九州市と協業を発表している。

マイクロソフトでは、そのほかにも、学校現場における教育向けITスキルの向上や、地域や大学におけるIT技術者の育成、ITベンチャー企業育成支援、中小企業におけるIT導入活用支援活動、情報モラルの啓発活動など、幅広い領域から地域に密着した支援活動を行っており、香川県とも、協業範囲を拡大していく可能性もありそうだ。