米国ペンシルバニア州立ミルトン・S・ハーシー医療センター(Penn State Milton S. Hershey Medical Center)は、大気汚染が免疫系統に及ぼす影響などを研究調査した最新レポートの発表を行った。

米国立環境衛生科学研究所(NIEHS: National Institute of Environmental Health Sciences)の支援を受けて進められた同研究調査では、光化学スモッグの主成分とされるオゾンが、ネズミの免疫系統に与える影響などを分析。肺炎感染後の生存率などを比較テストしたとされる。

調査結果によれば、高濃度のオゾンが含まれた空気中で3時間を過ごしたネズミは、フィルターをかけたクリーンな空気中で過ごしていたネズミよりも、肺炎に感染して2週間以内の死亡率が高まった。また、興味深いデータとして、オゾンにさらされた雌のネズミは、雄のネズミよりも著しく生存率が低下したという。

今回の研究調査に臨んだペンシルバニア州立大学医学部(Penn State College of Medicine)のJoanna Floros博士は「ネズミの生体実験を通して明らかになった調査結果を、もしも人間に当てはめて考えるならば、呼吸器疾患を抱える女性は、特にオゾンを高濃度に含む大気汚染にさらされると、深刻な健康上の危険を招く可能性が高まることになる」とコメントした。

現在、米国内では、米環境保護庁(EPA: Environmental Protection Agency)が推奨している、空気中の安全なオゾン濃度レベルを超える、大気汚染環境下で生活せざるを得ない人が1億を超えるとされ、健康に及ぶ影響が懸念されている。