米Active Endpoints、米Adobe、米BEA Systems、米IBM、米Oracle、独SAPらITベンダー6社は25日(現地時間)、Webサービス/SOA環境におけるビジネスプロセス管理(BPM)の標準仕様となる「BPEL4People」を発表した。BPEL4PeopleはWS-BPEL 2.0(Web Services Business Process Execution Language)の機能拡張で、従来までのBPELが苦手としていたワークフローの部分をカバーし、これまでベンダーごとに異なる仕様で開発を進めていたBPMの分野に標準をもたらす。

同社らによれば、現行のWS-BPELはWebサービス同士が協調して動作するためのビジネスプロセス記述には向いているものの、人間が起こす行動、例えばタスクの実行やレビュー、認証、データ入力といった個々の行動を管理するワークフローの記述には向いていないという。今回発表されたBPEL4Peopleでは、こうした従来のWS-BPELの弱かった部分を補強し、人間の行動に対する制御をよりきめ細かく定義することを目的としている。

BPEL4Peopleは以下の2つの仕様から構成されている。

  • WS-BPEL Extension for People: WS-BPELの上に機能が提供され、人間側のタスクをアクティビティ(活動)として定義するもの。これらアクティビティは、WS-BPELで定義されるプロセスの中で1級コンポーネントとして取り込める。

  • Web Services Human Task: スタンドアローンな人間側のタスクを定義するもの。ここにはプロパティ(Property)のほか、ふるまい(Behavior)、作業(Operation)なども含まれる。Web Services Human Taskで提供される機能はWS-BPELが管轄するビジネスプロセスを離れ、Webサービスとして動作するアプリケーション上からも利用できる。

今回の仕様策定に参加したITベンダーらは、近い将来、標準化団体OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)へと仕様を提出し、BPEL4PeopleをベースにしたOASIS標準を策定するための技術委員会の開設を提案する予定だという。なお、BPEL4Peopleの仕様書はこちらからダウンロードできる。