Serenity Systemsは18日(米国時間)、OS/2後継オペレーティングシステムの最新版「eComStation 2.0」のリリース候補(RC1)を公開した。バイナリパッケージは、有償サービスのSoftware Subscriptions Servicesメンバーに対してのみ提供される。

eComStation 2.0では、JFSボリュームに直接システムをインストールできる「Bootable JFS」をサポート、JFSキャッシュの有効化によるパフォーマンス向上が実現された。Intel Core 2 DuoなどのマルチコアCPUやACPI 2.22といったハードウェアサポートの強化や、FAT32 / NTFSボリュームサイズを変更する「Disk Resizer GUI」などユーティリティの追加も行われている。

eComStationは、IBMからOEM提供されたOS/2 Warp4コンビニエンスパッケージを基に開発されたOS。開発はSerenity Systemsとユーザコミュニティにより進められ、各種ドライバの追加など独自の拡張が施されている。

OS/2は、IBMとMicrosoftの共同開発によりスタート。1989年リリースのVer 1.2以降、Windowsの開発にシフトしたMicrosoftが離脱、IBM単独で開発が続けられることになった。1992年リリースのVer 2.0では32bit化の達成やWindows互換環境の装備など、当時としては先進の機能を備えていたが、1996年リリースのOS/2 Warp4を契機に積極的な開発路線を放棄。以降はサーバ用OSとしての機能拡張と保守が中心となり、次第に表舞台から遠ざかった。2006年末には、サポートを含むすべての活動を終えたことがIBMから告知されている。