マイクロソフトは13日、同社北陸支店を開設した。JR金沢駅徒歩3分の位置にあり、石川県、富山県、福井県の3県を担当する。当初は6人体制でスタート。今後増員を図っていく。

マイクロソフトは、中小規模事業所向けIT支援施策として、全国IT推進計画を推進しており、そのための地域活動拠点として、全国への支店展開を強化している。今回の北陸支店が全国9支店目。地域における顧客との交流、パートナー企業との協業、自治体や教育機関、NPOなどとの連携を通じた地域貢献活動、技術者育成による産業振興、産学連携などの企業市民活動の強化などによって、地域に根ざした企業活動を展開する。

マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長は、「北陸3県は、マレーシア、タイと同等の経済規模を持っており、今後も、新幹線、高速自動車道など地域経済が成長する可能性がある。また、コマツ、I/Oデータ機器、インテックといった当社と長年の関係を持つ大手顧客、パートナーがいる。あと5年早く出店してほしかったという声もある。しかし、北陸地区には課題もある。この地域には伝統的な企業も多いが、それらの企業のなかにはITを生かし切れていない例もある。また、今後30年間で30%の人口が減少するといった予測もあり、ITを活用して1人あたりの生産性を高めていくことも必要。こうした課題解決のお手伝いをしていきたい」と語る。

北陸支店が入居する金沢パークビル

北陸支店の開設を記念してテープカットするマイクロソフト関係者。中央がダレン・ヒューストン社長

支店の繁栄を願って、だるまに目を入れるダレン・ヒューストン社長

また、マイクロソフトの樋口泰行COOは、「マイクロソフトは顔が見えにくいという声を聞くが、約2年間の活動を通じて、それが徐々に変化してきた。地域貢献活動もそのひとつといえ、単にビジネス拡大という側面だけでなく、中小企業の競争力強化、CSRの観点からの地域貢献活動などにも取り組んでいく。私自身も足しげく北陸に通い、北陸3県に根づいた企業を目指したい」とした。

マイクロソフト北陸支店の中林秀仁支店長

北陸支店の中林秀仁支店長は、「2010年までに、製品ライセンス売り上げで年平均成長率20%を目指す。これは現在の2.5倍規模の売上高になり、マイクロソフト全体の成長よりも高い伸びを見込んでいる。また、認定パートナーは、現在の25社から50社に、登録パートナーは、121社から250社へと、いずれも2倍以上に拡大する。北陸3県におけるIT事業者数は約520社。6割の事業者に対して、直接メッセージを送ることができる仕組みを構築したい」とした。

マイクロソフト執行役専務ゼネラルビジネス担当の眞柄泰利氏は、「これまでは、名古屋から3時間をかけて北陸3県をカバーしてきたが、支店開設によって、パートナーとの連携強化、顧客との交流強化、自治体やNPOなどとの連携など、地域に密着した貢献活動が可能になる。デジタルデバイドの解消にも取り組みたい。売上高の年平均成長率20%はコンサバティブな数字であり、さらなる成長を目指す」とした。

国税庁の調べによると、北陸3県には6万3,000社の法人があるが、「マイクロソフトではエンタープライズ分野で約500社、SMBでは約2,000社にしか直接アプローチできていない。ボリュームライセンスの対象でも4,000社程度。残りの約6万社に対して、マイクロソフトのメッセージを伝えられるようにする」(中林支店長)。

また現在、北陸3県で334人が認定されているマイクロソフト製品に関する技術者を、2010年には1,000人規模にまで育成する計画。「オラクルは10年前から支店を開設しており、北陸3県におけるオラクルマスターの人数との間には大きな差がある。遜色のない規模にまで拡大していく必要がある」(中林支店長)としている。

北陸支店の具体的な施策として、パートナーとの協業、IT技術者育成と支援、地域顧客との交流、産学官連携による地域貢献活動を掲げ、支店内に設置したラボラトリー(検証施設)において、地元のIT企業が最新の環境で検証を行える体制を作るほか、技術者の研修を行うシステムインテグレータパートナーコミュニティによる施策も準備する。

北陸支店の具体的な取り組み

ヒューストン社長は、「パートナーや自治体、顧客とのミーティングを行ったり、技術者教育などのセミナーを行える場を作るなど、十分なファシリティを用意した。6人でスタートする支店とは思えないほどのファシリティである。他の支店では支店内の会議室などの稼働率が60~70%に達しており、北陸支店がどれぐらい活用されているのかをバロメータにしたい」とした。

北陸地域におけるビジネス拡大と、地域貢献の双方の役割を担う支店を目指す。

マイクロソフト北陸支店の入口

約40人が入る北陸支店のセミナー室

ラボラトリーでは検証が可能

13日夕刻から行われた開設記念パーティで挨拶するダレン・ヒューストン社長

パーティには石川県の谷本正憲知事も駆けつけ、「IT企業のビジネスチャンスを広げ、北陸の発展に寄与してほしい」と挨拶

関係者が登壇して鏡割りも行った