米Googleは5月30日(現地時間)、同社のAjaxアプリケーション作成ツールの最新RC版「Google Web Toolkit(GWT) 1.4 RC」をリリースした。GWTはJavaで記述されたアプリケーションをAjax動作用にJavaScriptベースのものに変換するフレームワークで、現在はオープンソース化されている。GWT 1.4ではパフォーマンスの大幅改善が目玉となる。

GWT 1.4で強化された主な機能は下記の通り。

  • 生成コードサイズの縮小
    GWTの新バージョンで作成されたJavaScriptコードは、従来比で15-20%ほどサイズが小さくなる。これにより、ユーザーがアプリケーションのロードにかける時間が短くなり、結果としてアプリケーション起動の高速化につながる。既存のアプリケーションでも、ソースコードをGWT 1.4 RCでリコンパイルすることで高速化が可能。
  • イメージ転送の効率化
    新機能のImageBundleにより、大量の細かい画像ファイルを1つにまとめ、HTTP転送にかかるオーバーヘッドを大幅に低減する。この作成された統合画像ファイルは永続的にキャッシュされるため、逐次サーバから画像ファイルを読み込むようなアクセスは発生せず、アプリケーションの高速化につながる。
  • UIライブラリの拡張
    新ウィジェットが追加されており、GWTを用いたアプリケーション作成でよりリッチなUI環境が利用できるようになった。例えば、リッチなテキスト編集機能を提供するRichText、オートコンプリート機能を提供するSuggestBox、UIのリサイズを可能にするHorizontalSplitPanelとVerticalSplitPanelなどは、新たにライブラリに追加されたUI機能拡張ウィジェットだ。

そのほか、JUnitとの統合によるベンチマーク機能のサポートのほか、世界各国の時間や数量単位をサポートするローカライゼーション機能など、さまざまな機能拡張が行われている。より詳細な新機能や変更点についてはGWTのブログに情報がまとめられている。なお、GWTの作者であるBruce Johnson氏とJoel Webber氏が、5月31日に米国で開催予定のGoogle Developer Day 2007において、「Fast, Beautiful, Easy: Pick Three - Building User Interfaces with Google Web Toolkit」という表題でGWT 1.4 RCの新機能を説明する予定だ。