富士通は9日、デジタル家電向けの32ビットRISCマイコン「FR80S/T1シリーズ」の2製品を発表した。今回発表された製品は、プログラムの容量が大きいオーディオ機器やプリンタなど向けの「MB91F639」、多機能化に伴う多ピン化への要求が大きいデジタル一眼レフカメラやデジタルテレビなど向けの「MB91F647」。両製品合わせて月間50万個の販売を目指す。

本マイコンは、同社の「FRファミリ」に位置づけられる製品である。同社の新開発のマイコンコア「FR80S」を搭載している。このFR80Sの最大動作周波数は60MHz。パイプライン処理の改善などにより、同社の従来製品に比べて処理性能を約30%向上しているという。また、既存のFR命令セットを継承しているため、ソフトウェア資産の流用が容易に行える。

「MB91F639」は、1MBのフラッシュメモリと64kBのRAMを内蔵している。そのほか、10ビットのA-Dコンバータを2ユニット(31チャネル)備えている。一方の「MB91F647」は、512kBのフラッシュメモリと48kBのRAMを内蔵。10ビットのA-Dコンバータを2ユニット(32チャネル)備えている。

両製品とも、8チャネルのDMAC、16チャネルの16ビットベースタイマ(32ビットモードにも対応)、12チャネルのマルチファンクションシリアルインタフェース(SIO、UART、I2Cに対応)、3チャネルの8ビットD-Aコンバータなどを備えている。

サンプル価格は1,000円。MB91F639は9月から、MB91F647は10月から販売を開始する。また、共通評価用のマイコンとして「MB91V650」を8月に販売する。