Linux向けセキュリティベンダーの米Progenyが、4月30日に営業を終了していたことが明らかになった。5月2日時点で同社Webサイトのトップページには、営業終了と保有ドメイン購入者を募る短い告知文が掲載されている。

最初の営業終了の告知は、米国東部時間の4月30日に同社が運営するメーリングリストを通じて行われた。「We are sad to inform you that Progeny Linux Systems is ceasing operations」から始まるメッセージは、メーリングリストの閉鎖とコンテンツの廃棄処分を通知する簡潔なもので、同社が提供してきたサービスの継続に関してはコメントされていない。

Progenyは、Debian GNU/Linuxの創設者であるIan Murdock氏(現在はSun Microsystems勤務)を中心に設立された、Linuxのサポートやカスタムソリューションの提供などを行う企業。2000年の創業以降しばらくは、クラスタリング技術「LinuxNOW」や、DebianベースのLinuxディストリビューション「Progeny Debian」の開発にあたっていたが、現在ではLinux Standard Base(LSB)準拠のコアコンポーネントと追加ライブラリ群からなるLinuxディストリビューション「Progeny Componentized Linux」のほか、カスタムソフトウェアおよび関連サービスの提供に業務の主軸を移している。日本にも、Red Hatがサービスを終了した製品を対象としたセキュリティパッチの提供などのサービスを通じ、同社の顧客が多数存在する。