大学生にとっては上網が当たり前に

つぎに、中国の大学生とインターネットの関わり方を見てみよう。南京郵電大学が今月初、大学生のネット生活についての調査結果を公表した。

まず、「上網(ネットサーフィン)」のメリットについて、67.2%が「知識拡大、自身の可能性の開発にとって有利」、59.6%が「友達作り、交流にとって有利」、56%が「生活を充実させることができる」、49.9%が「インターネットを活用する能力を高められる」と指摘している。一方、デメリットとして挙げられたのは、「勉強時間が取られ、集中力が分散する」(65.4%)、「経済的な負担が大きくなる」(33.8%)、「性、暴力のコンテンツが溢れており、ネット中毒になり易い」(29.3%)、「人間関係が疎遠になる」(24.1%)、「自己閉鎖的になる」(12.8%)の五つだった。

上網の目的は、ニュース閲覧、就職情報収集、網友(ネットフレンド)とのチャット、情報交換、新しいソフトウェアのダウンロード、ネットゲーム、映画鑑賞など。高学年であればあるほど、ネットゲーム、映画鑑賞の割合が低くなる傾向にある。厳しい受験競争を勝ち抜いた学部のフレッシュマンなどは、大学に入ってからようやく遊べるようになり、一時期ネットゲームに夢中するが、卒業を控えた高学年になると、就職活動や卒業論文などの重圧から、遊ぶ余裕も興味もなくなるようだ。

人民網の昨年11月の報道によると、85.7%の大学生が毎日30分以上ネットサーフィンをしており、38.3%の学生が90分間を超えている。ネットサーフィンしない、またはできない大学生は僅かに3.3%。ネットサーフィンをする場所はキャンパス内ならば寄宿舎、図書館と教室などであるが、寄宿舎でネットサーフィンする大学生が最も多い(63.6%)という結果になっている。だが、実際には76%の大学生がキャンパス外、とくにネットカフェでネットサーフィンに興じている。上網の時間は分散的であって、20時から24時という深夜の時間帯が多いようだ。ネットカフェでは、翌朝までネットサーフィンをする徹夜上網の大学生も珍しくない。

青島大学の学生の携帯利用

いまどきの大学生が上網と携帯電話で誰とコミュニケーションを取っているか──筆者は、自らキャンパスで聞き取り調査を行ってみた。

結果は、家族(84.3%)、同級生(72.6%)、友人(65.4%)、先生(32.8%)、恋人(26.5%)、網友(21.2%)という状況であった。まさにインターネットと携帯電話は、大学生にとり最も重要なコミュニケーション手段なのだ。

さらに、携帯電話の平均通話時間を聞いてみた。7割以上の学生が毎日10分間以下であったが、なかには毎日数時間と答えた学生もいた。中国でのケータイ生活は、若年層ではむしろSMSが主流。67.1%の学生が、毎日携帯で5~15本のショットメッセージを送受信している。携帯電話が通信に使われる時間は決して多くないわけだが、4割強の学生が携帯でゲームを楽しむなど、3G導入直前の中国には、携帯アプリが爆発的に普及する下地がすでに十分備わっているように見受けられる。