米Hewlett-Packard(HP)、米Microsoft、独SAPの3社は23日(米国時間)、企業向けのアプライアンス新製品「Duet by SAP and Microsoft, powered by HP」を発表した。Duetは、HPのProLiantサーバにSAPのビジネスアプリケーションを組み込み、そこで提供されるビジネスプロセスやデータに対してMicrosoftのOffice製品からアクセスできる仕組みを用意する。これらソリューションがアプライアンスの形で一括提供されるため、ユーザーが本格的なビジネスアプリケーション環境を簡単に導入できる点が特徴となる。同製品は北米ユーザー向けに6月より受注を開始する。

Duetは必要なアプリケーション導入や設定があらかじめ行われているため、システム展開の際に問題となるセットアップに関するコストや時間を大幅に短縮することが可能だ。オールインワン型のアプライアンスは中小企業向けのソリューションのようにも思えるが、実際にはサーバとしてHP ProLiant以外にHP Integrityを選択してミッションクリティカル用途をカバーできるパフォーマンス増強を行ったり、大企業のシステムの広範囲での展開に活用したりと、さまざまな用途に対応できるパッケージとなっている。

MicrosoftのツールとSAPのビジネスアプリケーションを結びつけるDuetの構想は2005年にはじめて発表され、翌2006年に最初のDuetソフトウェアがリリースされている。多くの企業ユーザーが利用するソフトウェア製品どうしを結びつけて企業ユーザーの生産性をさらに向上させることが狙いのDuetだが、今回新たにHPというパートナーを見つけたことで、ハードウェアを含めた容易なシステム展開までを視野に入れることが可能になった。

SAPエグゼクティブバイスプレジデントのDoug Merritt氏は「昨年のDuet発表以来、250の顧客企業と40万のソフトウェアライセンス販売を達成している。HPを含むアプライアンス戦略はユーザーに柔軟性と革新を届けるSAPのパートナー戦略の一環であり、ユーザーはエンタープライズSOAをベースに、Duetの展開と稼働を素早く行うことが可能になる」と述べている。

なお、今回のDuet by SAP and Microsoft, powered by HPに関する詳細情報はHPのSAPソリューションページ上で確認可能だ。