米eMarketerは、米検索エンジンの有料検索広告市場などを調査した最新レポート「Search Marketing: Counting Dollars and Clicks」の発表を行った。GoogleとYahoo!が圧倒的なシェアを占める中で、今後は新たな広告戦略を築いていくことも提唱されている。

同レポートによれば、昨年の米国内における有料検索広告売上高のうち、Googleの検索広告売上が占める割合は58.7%、Yahoo!の検索広告売上が占める割合は15.0%で、GoogleとYahoo!の米2大検索エンジンで7割以上を独占した。この傾向は年を追うごとに強まっているとされ、今年の米有料検索広告売上高に、GoogleおよびYahoo!の検索広告売上が占める割合は、実に91.9%にも達するとの予測が出されている。

Google(赤)とYahoo!(黒)が米オンライン広告市場にそれぞれ占める割合。2007年は両社合わせると実に91.9%という数字だ

また、米有料検索市場は、全体として今後も順調な拡大を続け、昨年は約69億7,000万USドルの売上高を記録したものの、2011年には約161億5,130万USドルを突破する市場規模にまで成長すると見られている。しかしながら、他分野のインターネット広告市場も急速な発展を遂げていくため、米インターネット広告市場の総売上高に占める有料検索広告の割合は、昨年中に記録した42.5%の比率から、それほど大きく変化することはないようだ。

有料検索市場は順調に成長を続けており、2011年には161億ドルを超える市場になると見られている

検索市場全体も伸びているため、有料検索市場の割合はそれほど大きく変化しないと思われる

なお、eMarketerの上級アナリストとなるDavid Hallerman氏は「米有料検索広告売上の90%以上が、今年は2大検索エンジンに集中してしまうことになるが、この状況が思わぬ副作用を生み出している。たとえば、(GoogleでもYahoo!でもない)いわゆる二番手グループの検索エンジンのマーケティングに、大きな割安感が出てきている。このグループの検索広告では、キーワードへの入札競争が少なくなり、より少額の広告費で幅広いリーチを達成することも可能になる」とコメントした。